ブログ――メディアのオープンソースコード
「オープンソース」的な知識共有が新たな知識の創造につながる――というテーマが少し話題になっている。このサイトの読者には興味深いネタだと思う。梅田さん、村山さんの順で読んでから原文にあたるのがよさそうだ。
・元ネタ:Open Source Everywhere(wired)
・村山尚武さんの感想:Open Source Everywhere(Sotto Voce)
・梅田望夫さんの紹介:オープンソース的コラボレーションが社会を変える(CNET Japan - 英語で読むITトレンド)
この「知識のオープンソース的共有」については、このサイトでも何度か紹介し、「はじめてのウェブログ」にも訳を載せている『博客』の著者・方興東氏が「博客はメディアのオープンソースコードである」という主張をしている。こうして話題になったのを機会に、そのまとめの部分を翻訳してみた(⇒はじめてのウェブログ「ブログはメディアのオープンソースコードである」参照)。ここでは感想のようなものを書いてみたい。
まあ実際にはウェブログでも旧来のニュースサイトでも日記サイトでもテキストサイトでも、もちろんwikiでもかまわないわけだが、インターネット上で著作権にこだわらず、知識や思考を共有し、発展させる仕組みというものが有効に機能するならば、非常に面白いものができることだろう。
ただ、それが「子ニュースサイト」「孫ニュースサイト」と揶揄されるように、単に大きなサイトへのリンクのみで特に何も考えていない、というのであれば、この「知識のオープンソース」などと表現するのは大げさすぎる。もちろん、子/孫ニュースサイトもそれはそれなりにまとまっているから意味がないとは言わないし、知識の共有には役立っていると思うのだが、そこから知識を増強し、発展させるという過程がこれから求められるだろう。
たとえば、フリーで公開されているソフトがある。それを便利だといって使うだけの人(自分もそうだが)は、確かにそのフリーソフトを活用しているが、しかし、そのソフトそのものを発展させるわけではない。オープンソースをいじって新しいものを作るプログラマーが登場して初めて、オープンソースの意義がある。
ウェブログ(その他のネットの知識共有)でも同じで、単にリンクする、あるいは読むだけでは、その知識・考えが深まるわけではない。今日のこの記事は、意図的に、冒頭のリンクに対して別の資料を提示し、また自分の考えを付け加えるという作業を行なっているわけだが、そうやっていろんな人がいろんな意見を言い、また相互にやりとりすることで初めて「知識のオープンソース」となるわけである。
ブログを始めてみる。現時点ではそれだけでも手一杯かもしれない。しかし、その本領を発揮させるには、活発に意見交換が行なわれる必要があるし、ウェブログという形態はそれに便利なように、また初心者でもやりやすいようにできていると思う。方興東氏の夢見る「知識経済の次バージョン」に本当の意味で入って行けるかどうか。それはブログがどのように使われるかにかかっているのである。
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これはウェブログ@ことのはの松永氏の言葉を借りれば「知識のオープンソース的共有」ということになるだろう(ウェブログ@ことのは「ブログ――メディアのオープンソースコード」... 続きを読む