Report :: Six Apart Tokyo Gatthering
11/22日に開かれたMovable Type/TypePadのユーザーの集まりの様子をレポします。特に雰囲気が伝わるように。厳密にメモしていたわけではないので時系列とかは多少前後してると思います。また、技術的な話やビジネス的な話に関して、ここに書いてあることは抜けや間違いがあると思うので、極力、正式な発表を参照してください。また、写真はすべてクリックするとフォトログ@ことのはにアップしてある拡大画像に飛びます。
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11/19 来日中のMovableType開発者Ben & Mena Trott夫妻との集いが22日に開かれるとの告知。英語で全部進行だったら困るけど、顔だけでも見に行くか、と思って早速メールアドレスだけ登録しておく。
11/21 22:55:08 別件の取材から帰ってきてメールを開いたのが23:00だったが、その直前に届いたメールでようやく会場が連絡される。つまり、前日の夜詳細が判明したわけである。どれくらい集まるのかなあ。
11/22
14:50 表参道駅到着。B1出口すぐのスパイラル6F「スパイラルホール」へ。まだ来ている人は少なめで、広々とした一室の隅に一列だけ机と椅子がある以外はだだっ広いまま。みんなここに座って話を聞いたりするのか、と思ってしまった。受付のノートPCに名前とメールアドレスを記入し、名札シールに適当に名前を書いて貼る。このシールがよく剥がれるので困った。一応尋ねてみたら録音・撮影OKとのことで、スタンバイ(でも音はあまりよくとれなかった)。窓から外の写真を撮ったりする。
15:00 じわじわ人が集まってくる。ブログMLのあべっちさんがやってきたので挨拶。近くに#blogの一色政彦さんもいたので何となくその後はつるんでいた(笑)。どうやら「適当に立ち話とかしているところにBenとMenaがぐるぐる回るので皆さんお話ししましょう」ということらしい。それまでは適当に交流してください、という雰囲気であった。だが微妙に声をかけづらい状況で(あまり誰彼構わずという感じでもなかったし)微妙な雰囲気が漂っていた。
その中で判別のつく人を探しては声をかける。ドリコムの内藤さんもいたので名刺交換。たまたま東京に来ていたので情報を聞いてやってきたが、MTはいじっていないので何を話したらいいかわからない、とか言っていた(笑)。ちなみに内藤さんは背が高くて男前です。Yeah!2003とかはあまり気負いもなくやってるようで、よくも悪くもガツガツしていないのが内藤さんの持ち味だなあと思った。
何となくお互いに面識のありげな人たちが何となくまとまりを作っていたという雰囲気。創庵の人がいるのを見つけて声をかけようと思っていたら別の人と遭遇してタイミングを逃したのは残念。その他、顔だけじゃわからなくていろいろ接触しそびれた方多数です。またの機会にはよろしくお願いします。総勢50人以上100人以下という感じでした。
15:20ごろ Ben と Mena 来場。
Ben「昨日はMenaが話をしたので、今日は自分が話をする番。責任はこんなふうに分担している(笑)」「世界展開でも日本は特に重要だと考えている」
告知が直前でカバーチャージがついたのにこんなにあつまっていただいてありがたい、というような話も。
このとき、Benは逆光になったのであまりいい写真が撮れなかった。
その後、ブロガーの人たちはそれぞれに歓談しつつ、その中にBenとMenaがまじっていくという感じで「ファンの集い」が展開した。
写真ではよくわからないかもしれないが、Benは背が高い。二人とも本当に明るくて、開けっぴろげで、こういう人たちが「世界中の人たちとコミュニケートを推進するためのウェブログツール」を開発したのかと思うと非常に納得できるところがある。
英語が得意な人はほいほいと声をかけていて、翻訳ソフトの力を借りないと何もできない机上の翻訳人である自分のような人たちはなかなか最初は声をかけられない。関さんのように通訳をやってくださる方がいたので何とかなったのだけど。
その間に、人のよさそうな雰囲気を醸し出しているArtifactの加野瀬さんを見つけて声をかけたり、本当に腰の低い平田大治さんと名刺交換して、ブログ本の出たタイミングとか、今後の展開について少し話したりする。
とかやってるうちに一色さんが英語でBenと歓談している!う、裏切ったなぁ(笑)。再構築の改善を要望したとのこと。
とかいっているうちに、B-logの南一哉さんの通訳の助けを借りて、まずMenaと話すことができた。
最初少し技術的なややこしい話をしてしまったので、平田さんに振られてしまったのだが(笑。平田さん、ありがとうございます)、もう一つ、本題のメディア的な観点から話をうかがう。南さんが要領よく訳してくださったので助かりました。以下、むちゃくちゃおおざっぱな概要。
Q「これからのウェブログとメディアの関係は?」
A「(アメリカではすでにウェブログが大きな役割を果たしていることを踏まえて)他のフォーマットでもすでにメディアとの関係は強まっているがウェブログは特に顕著だ。今、ウェブログはメディアを検証するような機能が特に強い。」
Q「その中でも特にMovableTypeによるウェブログの特徴は?」
A「トラックバックの使い方などでいろいろと新しい関係が作られている。日本でもそうだ」
Q「トラックバックの説明の日本語訳ページを作らせていただきました」
A「おー(^o^)」
という感じ。その後、Benのところにいってご挨拶。この明るさと開放感を前にすると、はてなだMTだDimeだワセダだといったコミュニティの細分化・村化についてはどうでもよくなってくるね。
みんな「一緒に写真を撮らせてください」と集まってくるようになって、南さんが思わず「新婚さんと一緒に撮る記念写真みたいだなあ」とつぶやくほどの大盛況。
16:30ごろ 最後にBenとMenaが着席し、まとめてお話を聞くことになる。
この辺の話は[pshige's Type]やNDO::Weblogや、Drift Diaryで報告されているとおりなので、蛇足にしかなりませんが、一応まとめておきます。
●概要説明
「数カ月のうちに新しいヴァージョンを出す予定です。皆さんはMovable Type Proについての話を聞いたりしてるかもしれませんが、去年からTypePadについて開発する中でいろいろ気付いたことがありました。Movable Type Proはビジネス用途向けを考えていました。しかし、一般向けにすることを考えています。
新しい機能として入れたいものは、プラグインのAPIについてもっと使いやすいもの。あらかじめ登録した人だけコメントできる機能――コメントスパムを経験した人もいると思うので、その対策。
コメントスパムに遭った方はどれくらいいますか?(多数挙手)それは英語で書いてあるもの?(「Spanish!」場内笑)次の版ではそのあたりを改善したものを考えています。
次のバージョンではモブログ機能も強化します。
あとCSSに対応したインターフェースも改善します。内部的には多言語対応強化。今のが大体次のMovableTypeに追加される内容で、それ以外にも細かい対応を考えています」
●質疑応答
Q「次のバージョンナンバーは?」Ben「2.7か3.0のどっちかになるんじゃないかと」
Q「TypePadのようなインターフェースでのCSS切替機能は?」
Ben「今のところTypePadの開発に注力しているが、MovableTypeはパワーユーザー向けと考えているので、そのあたりの対応は予定していない」
Q「ExportからInportしたときにEntryIDが変わってしまう問題はどうしたらいいか」
※ここで専門的な内容を説明するために平田大治さんが登場。
Ben「dive into Markというサイトにチュートリアルがあって、そこに書いてあります」
平田さん「EntryのキーワードにASCIIで入れることによって、ファイル名にEntryIDを使わずキーワードを使うことができるんですよ」
(※Cruft-free URLs in Movable Type 参照。日本版でkeywordをファイル名に使う方法がChitatopopsさんの「Permalinkを変更」に載っている)
Q「ブロギングという現象が国ごとによって違いがあるかどうか」
Mena「アメリカと日本ばかり見ていますけども、コミュニティというところについての見方については違いがあります。特にモブログというのが違っていて、日本ではカメラ付携帯があるけれどもアメリカにはない。日本語がわからないので翻訳サイトを通して見ています」
Q「中国や韓国は?」
Mena「韓国・中国はあまり見かけません。日本に関わりがあるというのもあるけれど、主に日本のを見ています。見ている限りでは英語に次いで日本のものがものすごく増えてきている。」
Q(最後。自分が質問させていただきました)「MovableTypeの登場によってブロギングというのはどのように変わってきたか」
Mena「なかなか難しい質問で……わかりません」(場内笑)
ここでネオテニーの伊藤穣一さんが登場。
伊藤さん「まず、CSSをきちっと使って考えていること。もう一つは、最初から多言語を考えている。utf-8を使ったり。Dave WinerなんかはASCIIが通ればいいやという感じで(場内笑)自分の書きたいことが書ければいいという感じなんですけど。
基本的に彼らの性格が非常に几帳面なんで、今までの状況というのはワイワイノリでやっていたところがあるんだけれども、BenはもともとPGPのモジュールを開発していたくらいセキュリティとかに関わっているので、ソースを読むと他のと比べてストリクトだったり、いろんな意味でレベルが違うと感じました」(以下、通訳は伊藤さんにバトンタッチ)
Mena「アメリカ以外の人たちがブログをしたいというのを考えていました。日本に来て皆さんとお会いできて、アパートで開発していたのにこんな国際的な交流ができることはうれしい。あとは、日本語の対応がきれいにいかないところがあるのがわかったので、そのあたりは対応していきたい」
カールさん(W3Cクライアント・マネージャー)「W3Cスタンダードにきちんと対応したのはMovableTypeが初めてです」
Ben「多言語対応した結果、いろんな国ごとにブログのやり方が違うことがすごく勉強になっていて、学べることが多くて光栄です」
というところで時間になりました。自分の説明に伊藤さんがフォローしてくださったので、散会後、簡単にご挨拶しました。ブログそのもののビジネス展開を考えている伊藤さんと、情報発信メディアとしてのブログの利用法を考えている自分では立場が違う部分もありますが、それぞれに補完できれば、と思います。
感想
ツールの開発者というのはやはりツールに大きな影響を与えます。BenもMenaもものすごく開放的で明るい。「自分が表現する」というところよりも、「コミュニケーションを広げる」というところに関心があるのだと感じました。そこからトラックバックという発明も生まれたということは納得できます。MovableType ver2.7または3.0、あるいは「ビジネス用途ではなく一般ユーザー向け」に軌道修正されたMovableType Proの機能強化も楽しみですが、今既にある機能をいかに「使いこなす」か、またトラックバックやコメントを有効に活用していくか、がこれからの課題だと思います。
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pshigeの同行者の、のりこです。すごいですねぇ、この詳細にわたるレポート!!何も考えずに参加していた身としては、再度こうやって読み直して正直、感動してます。
のりこさんのところ、いいなー
Menaからコメントが入ってるよ!
ここも英文を入れておくべきだったか……(でも英訳はできない)
こんにちは。夏川です。
もうすぐ3.0のリリースですが、その前に興味深く拝見いたしました。