英国ブログ大賞2003結果発表

英国ガーディアン紙による英国ブログ大賞2003(British Blog awards 2003)の結果が発表されました。その受賞ブログならびに優秀作品のリンク、それから審査委員長による解説を訳して載せておきます。

2003年12月18日15:40| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ| by 松永英明
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●=受賞者
◎=優秀作品

デザインのベストThe Big Smoker(大喫煙者)Rob HinchcliffeさんとEuan Mitchellさん
The Bunker(地下壕)Paul Cleghornさん

写真使用のベストNYCLondon Rob Gardinerさん
Apparently Nothing(見たところ何も)Lorissa Shepstoneさん
Camerantics George Williamsonさん

18歳以下のベストA Teenager Blogs(あるティーンエージャーのブログ)Max Muntonさん
Magnetic Kid Liv Olivia Fairweatherさん

書き物のベストBelle de Jour「昼顔」
Stuart Hughes' Beyond Northern Iraq(スチュアート・ヒューの北イラクを越えて)
Call Centre Confidential(コールセンターのひみつ)

専門家のベストPepys' Diary(ピープスの日記)Phil Gyfordさん
London Underground Tube Diary(ロンドン地下鉄管日記)Annie Moleさん

審査員特別賞Linkmachinego Darren Shrubsoleさん


英国のベストブログ

「ガーディアン」紙第2回英国ブログ大賞で、英国のウェブロガーが素晴らしい状態にあり、昨年の高い水準を維持していることがわかった。サイモン・ウォールドマン審査委員長の称賛の言葉。2003年12月18日。

 これは審査するのが簡単な賞ではなかった。一つのブログが他のものより「よい」かどうかを決めることは、決して簡単なことではない。ブログ宇宙の質と多様性がともに増すにつれて、その決定は困難になる一方である。ほとんどすべてのカテゴリーで、審査員の意見は分かれた。
 ここで言及したすべてのブログは卓越している。英国のブログがさらに豊かになりつつあることを立証するものでもある。彼らは素晴らしいデザイン、よい書き物、リンクの優れた使い方を示してくれた。それがなければ、我々が決して知ることのなかった世界への窓を開いてくれたのだ。我々が2002年に最初に賞を始めたとき、これがまさに賞の意図だった。

 デザインのベスト部門の受賞者はRob Hinchcliffe と Euan MitchellのThe Big Smokerである。彼らは僅差でPaul CleghornのThe Bunkerを破った。どちらのブログもすばらしい外見と明確な表示を結合させていた。しかし、Big Smokerは、単純な配色設計と白黒写真にこだわって効果を上げ、少しエレガントであった。

 白黒写真は、写真使用のベスト部門の受賞者でも重要な要素となった。これは、写真の衝撃的な品質によって、Rob GardinerとNYCLondonに与えられた。我々はこの部門でさらに二人を推奨した。Cameranticsは審査員によってデザインのベスト部門にも選ばれていた。Apparently Nothingは人目を引くイメージに満ち、(私のような)平均的スナップ写真家志望者を嫉妬に狂わせるほどだった 。

 18歳以下部門は信じられないほどのせり合いだった。少しシュールでチャット的書き物であるOlivia FairweatherのMagnetic Kid Livと、非常に熟練したMax Munton によるA Teenager Blogsとの間での選択となった。オリヴィアの文章は優秀で、そして卓越していた。しかし、結局、我々は Max Muntonが全体的によいブログを掲載していると考えた。よいデア員、定期的な更新、個性にあふれた知的な文章という点で。そして、彼はわずか17歳なのである。

 専門家のベスト部門で、最高品質のニッチなウェブログの数が増えているという証拠を見ることとなった。Annie Moleのロンドン地下鉄管日記は、ユーモアと詳細さで推奨を受けた。しかし、賞はPhil Gyfordの注目に値するピープスの日記に与えられた。このプロジェクトは今年1月1日に始まった。Gyfordは17世紀ロンドンの日記著者の作品を毎日新規エントリーとしてアップし、これから10年間続けることになる。審査員の一人が言った。「閲覧者はすっかりはまっている。それぞれのエントリーに付けられたコメントの数をみてくださいよ」

 書き物のベスト部門は、多くの宝石を作りだした。3つの受賞作品は非常に異なっていた。Stuart Hughes(スチュアート・ヒューズ)はイラクの地雷で足を失ったBBCリポーターで、2月からBeyond Northern Iraq(北イラクを越えて)という素晴らしいブログを続けている(これはBBCによって支持されているわけではない)。これは、個人的経験について誰かが書いた湾岸での出来事を日々掲載しており、本当によい読み物と鋭いリンクを提供している。
 地球上のだれかが21世紀の英国での労働者の生活についての本当の姿を知りたいと思うなら、Call Centre Confidentialから始めるのが一番だ。ある匿名のコールセンター=顧客対応窓口("Next stop Bombay")の匿名のチームリーダーの生活である。
 しかし、この部門での受賞者はロンドンのコールガールの日記Belle de Jourとなった。明らかにわいせつで刺激的な要素があるが、文章の質によってこのブログはそれを大きく越えるものとなった。何人かの審査員は、これが架空の作品ではないかと危惧したが、たとえそうであっても、それが印象的な作品であることには間違いない。
 審査員の一人ブルース・スターリングはこう述べている。「いたずらっぽく超法規的な匿名の売春婦が、確かにブログというメディアを一言一言、一文一文、他の候補者よりもはるかに効果的に操っている。彼女に賞が与えられるのは、単に覗き趣味を刺激したからというわけではない。この新しい虚栄的出版形式を使って、かつては口に出して言えないと思われていた行為についての非常に大きな世界的な窓を開け放とうという意志があった……。彼女は一人のブロガーとして孤高の部類にある」

 我々がエントリーを吟味し始めたとき、審査員特別賞が必要だとわかった。そして、それは間違いなく、Darren ShrubsoleのLinkMachineGoに与えられることもはっきりしていた。それは専門家のベストと書き物のベストの虻蜂取らずに終わっていた。しかし、これは英国ブログ界の驚異的なものの一つであった。控えめではあるが、常に読みやすいリンク集である。ウェブで何か面白いものを見つけたいと思っているなら、これ以上によい出発点は望むべくもない。

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2003年12月18日15:40| 記事内容分類:ブログ/ウェブログ| by 松永英明
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