超「本」格会議に行ってきました

昨年末の「忘年会議」は情報密度も濃く、非常におもしろかったので、またまた行ってきました。

究極の一冊を教えあう、超『本』格会議
~ 書籍のビジネス活用ノウハウで2004年も完全武装 ~
日時 2004年01月29日(Thu) 19:40-22:00
場所 デジタルハリウッド渋谷校
主催 橋本大也(Passion for the Future)・百式管理人(百式
今回は「有用な本をいかに見つけるか」という感じのテーマで、このサイトの読者の皆さんにも興味深い内容かと思いますので、ざっと概略を(公式にはきちんとまたレポートがあると思います)。

2004年1月30日02:17| 記事内容分類:編集・出版| by 松永英明
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■橋本さんが速読メソッドに挑戦  日本人が本を読む平均的なスピードは1分に400字~600字とか。これを3倍にできるか!? 橋本さんがさまざまな速読メソッドに挑戦した結果報告です。
 速読本には以下のタイプがあるとか。

  1. フォトリーディング系(読書ではなく視覚的に読む)
  2. アウトプット指向の実用系(読み終わったときの理解度を重視)
  3. なぞり読み、ブロック読み(本棚の背表紙・雑誌のザッピング向き)
  4. 瞬間情報処理の心理学(科学的な方法論)
 眼球運動の練習、それから「シグナルワード」となる接続詞の周辺に注目することで速読は可能となるようです。また、内容理解テストがないと結局、効果が上がったのかどうかわからない。そこで、その条件を満たすのがブルーバックスの『速読トレーニング―すぐに役立つ実践10ステップ』だったそうです。
 その結果、5日間で800字→1100字へと大幅アップ。集中時間が長くなったが、眼は疲れたそうで(笑)。

 ついでに速聴・速書にも挑戦。速聴は4倍速も聞き取れるようになったものの「4倍速で話す人はいない」(笑)。
 速書のほうは、プロとしての文章を「1時間2000字、10分333字、20分666字、30分999字」のスピードで書く、という話。橋本さんの場合はネタがあるときは過去に1時間1200~1600字は可能だったそうです。
 私の過去の経験だと、一日に原稿用紙100枚(4万字)というのをやりましたが、さすがに文章が荒れていましたね。今はもう少しゆっくり書いてますが、ブログの文章とかは結構早いかも。

■本の検索ツールとか  全然知りませんでしたが、どれも便利そうです。
ブックススケジューラー:新刊書の情報を収集して買いそびれのないようにしてくれるソフト。
Webcat Plus:連想検索で本を探せるサイト。
Groxis:英語ですが、アマゾンと提携して条件絞り込み検索が可能。
JungleScan:英語のみですが、ある1冊の本のアマゾンでのランキング推移を表示。
Bookmate:写真を見てください。片手で本を読める便利ツール。

俺と100冊の成功本 blog.自己啓発.com  「俺と100冊の成功本」の聖幸さんがなんと青森からいらっしゃいました! ちょうどYahoo!からもリンクされたようで、「ツイている」と言っていれば本当にツイてくる、という結果が現われ始めているようです。
 最後に「成功するから楽しくなるのかと思っていたが、楽しいから成功するのだと思える」という発言があり、非常に納得できるものでした。
 ちなみに私も3月には成功本を出す予定です。乞うご期待!

■洋書海外動向  百式管理人さんによる紹介。Amazon(米国)のビジネス書ランキングは常にチェックされているとか。翻訳前に読むのがいいらしいです。
 紹介されたのは『The Luck Factor』『Getting Things Dome(仕事を成しとげる技術)』『Drawing on the Right Side of the Brains(脳の右側で描け)』。3冊目は秘密にしておきたかったそうですが、休憩時間に邦訳が出ていることが判明してショックだったとか(笑)。

■デジタル系の読書  今回の目玉の一つが、松下から出ている「Σブック」(電子本)の実物見本。記憶型液晶を使うことによって3~6カ月電池がもつそうです。また、中国では森林資源=紙を使わないようにするため、これを10万台購入し、衛星からの配信で教科書として使うことになったらしい! 中国は桁が違いますねえ。
 ただ、後で実際に使ってみた感触としては、まだもう少し工夫してほしいところ。多少重いこと、液晶が白黒ではないのが読みづらいこと、両手で持たないと操作ボタンが押せないこと(つまり寝転がって読めない)、文章主体の場合は見開きでページをめくるのに違和感があること(スクロールの方がいいかもしれない)等々、色々改善の余地があるというか、読書家の意見を取り入れていく必要があるかと思いました。

 もう一つ紹介されたのがActionBrowser。これは面白い。本を読む感覚でページをめくることができ、動画再生も可能。拡大縮小もできるし……デジタルならではの機能が埋め込まれていて本当に面白いです。個人で導入にはちょっと高すぎますが。

■超本格会議  前回の忘年会議と同様、個々に課題を考え、それを5~6人のグループでまとめるスタイルの会議。今回は、事前に参加者ならびにサイト上の投稿で集まった160の「究極の1冊!」を参考にした上で、「2004年、こういうタイトルの本が売れるのではないか」を考えるというものでした。

 ちなみに私の「究極の一冊!」は『古事類苑』です。わかるかな? わからんだろうなー。私が投稿した解説をそのまま載せましょう。「明治~大正にかけて作られた日本唯一の官選百科事典です。日本のさまざまな制度文物などの故事来歴が詳細に書かれており、例えば旧国名のそれぞれの由来とか、寺社の縁起とか、制度文物などがわかります。志摩の国は戦国時代以前はもう少し広かったとか、意外な発見もあります。これは飽きませんよ。もっとも「一冊」じゃないですけどね。」

 他にはかなり実用書や成功本系のものを推薦した人が多かったみたいですね。このリストは投稿者・参加者の方のみということなのでこれくらいで。あと、会議の結果は正式に発表があると思いますので省略。

■読みやすい文章とは  日本語文書は、漢字25~45%、かな45~65%、残りがカタカナ・数字・記号らしいです。で、読みやすいのは漢字30%程度、ただし大事な用語は図として認識できる漢字で書くことだそうです。
 そこで紹介されたのが「よめるドットコム」(2月半ば正式公開らしい)。ニュースサイト(毎日インタラクティブ)にルビをふり、注釈をつける(Wikipediaの情報へリンク)。また、キーワードが強調されるというものだそうです。なかなか面白そうでした。

■本の探し方  書評サイトとしては松岡正剛氏の「千夜千冊」に及ぶものはない。まったく同感です。書籍では『使える新書―教養インストール編』がいいらしいです。今度みてみよう。
 それから、アマゾン・ウィッシュリストに読みたい本のリストを登録しておいて、それを印刷して本屋さんに行くという手があるという紹介。確かにわかりやすい。
 橋本さんのネタ元として『ナレッジサイエンス―知を再編する64のキーワード』が紹介されました。よさそう。

 それから、橋本さんの10冊の究極本が紹介されました。詳細は省略。
 また、古書を探すにはブックタウン神田を活用されているそうです。

 最後にすばらしいオチがつきました。
 百式管理人さんが最近出された本二冊セットを三名様にプレゼント!ということで、公正にジャンケン大会。そこで最後に残った三人の方のなかに、なんと「俺と100冊の成功本」の聖幸さんが残ったのでした! もうツキまくり! あまりにもできすぎの結果ですが、八百長でも何でもなく、本当に聖幸さんの強運が発揮されたのでした! すごすぎ!


 今日の参加者でお話しした/見かけた方。たつをのChangeLogのたつをさん。NDO::Weblogのnaoyaさん。Artifactの加野瀬さん(というか誘った)。Rickdomのたぐさん。Semblogのi2kさん。説明堂の石川さん。聖幸さんともお話しできてよかったです(^ー^)

 本については、それを書くのが本業なので関心が高かったというのもありますが、情報源をどう確保すればいいのかと考えているビジネスマンの方にも参考になる内容かと思います。それにしても、橋本さんと百式管理人さんのコンビによる企画は、毎回、消化不良を起こしそうなくらい情報が詰まっています。来月以降もテーマを変えて月一回やる予定とのことなので、今度は知り合いの編集者の方とかも誘いまくって、与えていただいた情報を具体化してみたいと思っています。

 なお、「本の探し方」については私にも一家言ありますので、次のエントリー「本の探し方 ことのは編集室流」で紹介したいと思います。


今回の他の方のレポート(気付き次第リンク追加)。たつをさんnaoyaさん

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2004年1月30日02:17| 記事内容分類:編集・出版| by 松永英明
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所用があって行けなかったのですが、このレポート見てつくづく思いました。

行きたかったです…。

次もあるんですかね? その時はぜひ参加したいです

こんにちわ。私は橋本大也様の究極の一冊にてご紹介を受けたアイデアマラソン発想法の考案者の樋口健夫です。考具の中でもアイデアマラソンは紹介されています。現在、ヒマラヤの山の中、ネパールのカトマンドゥに駐在しているので、超本格会議に参加できませんでした。私のアイデアマラソンは、20年の継続実績があります。ぜひとも『ことのは』様も、試験実施を3ヶ月やってみられませんか。必ず効果があります。
アイデアマラソン発想法に関しては、「企画がスラスラ湧いてくるアイデアマラソン発想法」(日経ビジネス人文庫)、「仕事ができる人のノート術」(東洋経済新報社)をご参照ください。質問があれば、
http://www.idea-marathon.net/にどうぞ。

田口さんの紹介された「The Luck Factor」は1月30日に角川書店から邦訳が発売されていましたね
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200401-04/index.html

mayoさん、毎月何かテーマ決めてやるようですよ。告知をお見逃しなく!

樋口さん、遥かカトマンドゥからありがとうございます! とりあえずウェブを拝見してみたところ、なかなか面白そうです。実はアイデアだけはいくらでも湧いてくる(それこそ「売るほどある」)のですが、それが放置状態だったので、もう一歩発展させるにはいいかもしれません。
ノート買ってこよう。

で、田口さんのお薦め洋書は3さつとも邦訳がでていた!というわけですね>monoさん
先見の明だなあ

「脳の右側で描け」で検索してこちらへ来ました。私も本を読んで、5日間のワークショップを受講したら、ここまで描けるようになりました。

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