本の探し方 ことのは編集室流
「超『本』格会議」でも「どうやって本を探すか」という話題がありましたが、私の場合はこうしているという実例をいくつか。参考になれば幸いです。
■芋づる検索――まずはキーワードとリファレンスを見つける
あるテーマの本を探そうというとき、一つのキーワードにこだわっているとなかなか見つからないことがあります。まずは一冊何か関連本を見つけて、その中の「参考文献」や、注釈内に挙げられた文献をチェックします。その辺で関連キーワードが見つかったら、芋づる式に検索し直すわけです。微妙な表記の違いとか、そのジャンルでよく使われているキーワードが見つかればしめたもの。
また、そのジャンルの本を数冊みていると、何度も参考文献に挙げられている本が見つかります。これはキーとなる本(斯界の権威)なので要チェックです。
あと、そのジャンルについての概説的な本を最初に押さえておくといいですね。
つまり「その話題について書いてある本」を手に入れるためには、「その話題について触れている本は、どんなキーワードで探せるか」が重要ですし、「その話題についてはこの資料をみれば、どこに載っているかがわかる」索引的なものを最初に押さえる必要があるということです。
そのためにはやはりgoogle検索は基本ですね。場合によっては、ネット上に本文資料も載っていることもあります。
■図書館を調べる
必要な本を全部買ってると大変なので(外れもありえるし)図書館を有効活用しましょう。
やはりこういうとき、都内在住というのは強みです(情報の一極集中ではありますが)。東京都内の公立図書館については、東京都の図書館 蔵書横断検索でまず検索。これが非常に便利。ここに入っていない図書館についてはあとで個別で探す必要がありますが。
最近は、インターネットから予約しておいて、確保できたらメールで連絡してもらう、というのが可能になったので、重宝しています。
もちろん、最終手段としては国会図書館がありますが、コピーに時間がかかるので本当に最終手段ですね。なお、最近はネットでデジタル資料閲覧+プリントアウト可能なので、明治期などの本はほとんど無料で自宅で手に入ります。
それから、専門図書館も押さえておくといいですね。雑誌だったら大宅壮一文庫というのは有名ですが、高いので私はあまり使いません(苦笑)。江戸東京博物館図書室とかアジア・アフリカ図書館(矢島文夫館長のファンです)、味の素食の文化ライブラリー、セイコー時計資料館、国立天文台三鷹図書室、防衛庁防衛研究所 史料閲覧室、ジェトロ・ビジネスライブラリー&アジア経済研究所図書館、国連大学ライブラリー、佼成図書館(宗教書)、著作権情報センター資料室などなど(挙げるときりがない)。
やはり「餅は餅屋」ということで。
あと、どうしても見つからない場合は大学図書館を利用する手もあります。実は一昨日、東京外大図書館に行ってきたところですが、学校と無関係の一般の人でも研究のためなら利用させてくれるところが案外あります。かなり専門的な本とか、海外の本も見つかることがありますので、最後まで諦めないこと。全国の大学図書館の蔵書の横断検索ができるNACSIS Webcatは非常に有用。ただし、大学によって利用条件が違いますので、事前に確認する必要があります。
■新刊書籍を調べる
新刊書は図書館では難しいですね。やはり書店でないと。
定番のAmazonは言うまでもありませんが、セブンイレブンで受け取れるので送料がかからないイーエスブックスも魅力的です。早く入手したいときは本屋さんに行きますが、紀伊國屋やジュンク堂(池袋店)は事前にネットで在庫を調べられるので、無駄足を踏まずにすみます。
これに加えて、超「本」格会議で紹介されたブックススケジューラーやWebcat Plusを活用するとよさそうですね。
中国の本については神田の東方書店と内山書店をよくのぞいていますが、そこにない本を注文すると一カ月とか二カ月とか、かなり時間がかかります。そんなときは書虫さんを使っています。二週間くらいで入荷できるようですし、対応もすごくいいです。
■古書を調べる
新刊にない場合は古書で入手したい場合もあります。そんなときはいくつかの古書検索を併用するといいと思います。私は日本の古本屋、スーパー源氏、古書検索、easyseekの四つを併用しています。日本中の古書店にそのまま注文もできますし。あと、イーブックオフもありますが、私の探すような専門書はあまりないみたいです。
なお、洋書の古書なら赤い靴。海外の古書店との交渉も代行してくれます。その分、ちょっと高めですが、英語がだめな人でも大丈夫なので安心。
■専門家に聞く
ここまでやれば、かなりの資料が入手できると思います。それでだめなら専門家に聞くという最終奥義(笑)があります。研究家の方を探してメールを出したり、専門の団体には直接電話してみたりすると、案外親切に教えてくださいます(もちろん、マナーは守って礼儀正しく!)。
そのものずばりは教えてくれなくても、どこのどういう本を読めばいい、どういう論文に載っている、というようなことは教えてもらえることが多いですね。
まあ一般にはここまでやる必要は少ないかもしれませんが、参考まで。
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