ウェブログと日本型掲示板は馴染む(TeaCupがブログ参入)
個人掲示板としては随一の利用者数を誇るTeaCupがAutoPageという名前の無料ウェブログサービスを開始した。個人的には、昨年の「ココログがウェブログ参入」以来の、日本ウェブログ史上の画期的なポイントになるのではないかと思う。
『ウェブログ超入門!』(とそのボツ原稿)でも書いたとおり、日本の掲示板コミュニティはブログと親和性が高い。TeaCupユーザーがウェブログを使い始めることによって、ますますウェブログという言葉は一般用語として当たり前のものとなっていくことだろう。
英米圏では、「スラッシュドット 」はグループウェブログと呼ばれている。つまり、「特定の限定されたメンバーがネタを振り、そこにいろんな人がコメントをつけたりする」という意味では、このスタイルの掲示板はブログそのものと言えるわけだ。ニュース掲示板「街の灯」は日本の代表的グループウェブログと言っていいだろうし、2ちゃんねるでも特定の記者が話題を振る「+板」はグループウェブログと言える(今やトラックバック機能も付いてるしね)。
TeaCupのブログ「AutoPage」は、「掲示板を投稿するように簡単に」とうたっている。これは、わたし自身がブログの説明をするときによく使ってきた表現だ。「掲示板とかで投稿できる人ならブログは簡単にできますよ~」ってね。違うのは、自分の投稿と他の人の投稿の間に扱いの差がある、ということ、それから話題ごとにコメントが分離されること。トラックバックは社長の石川さんさえもわかってないようだけど(笑)。
【トラックバック参考リンク】
さて、日本のウェブログ史を振り返ってみるとき、一応2002年をブログ元年としてみたいと思う。それ以前からブログ型サイトは当然存在していたわけだが(日本のウェブログの歴史(詳細版)参照)、ブログと“自称”するサイトが日本にそろそろ登場し始めたのは2002年ごろということである。10月のMesh騒動は「ブログという“言葉”の草創期」を象徴するものではないだろうか。
2003年(ブログ2年)の夏にはブログの技術的入門書が出版される。これが第2のポイントである。ここで技術者・学生・ライター、そしてコアなネットユーザーにブログが広まっていった。だが、まだIT業界での話題にとどまっていた感もある。
第3のポイントは、同年末の「ココログ」参入と「ウェブログ・ハンドブック」の発売。このニフティユーザーが強烈な個性をもって参入し始めたあたりから、技術者のみに偏らず、一般ユーザーにもブログが広まっていったように感じる。
そして、第4の変化が、このTeaCup参入をきっかけにして起こるのではないか、と思っている。今までTeaCupを借りて自分のサイト内の掲示板として運用してきた人たちが、日記や更新情報をいよいよブログで運用する可能性が大きくなってきたからだ。
これ以外にもはてなダイアリーやJUGEMやLivedoorBlogなどの展開もあるわけだが、それは新たな流れを生んだというわけではないので、ここでは話から外している。
で、この次に大きな変化があるとしたら「メールマガジンのバックナンバーがブログになる無料サービス」が参入したときだろう、と「予言」しておきたい。実はmelma!blogが始まったときはちょっと期待したのだが、メールマガジン発行とは別サービスだったのでがっかりしたのだった。seesaaは記事内容をメールマガジンで発行できるサービスをやっているが、いかんせん、今までのメールマガジンサービスから移行するパワーは持っていなかった。もし「まぐまぐ」のバックナンバーがブログとなり、そこにコメント・トラックバックが可能になったらどうなるか。有力な書き手は多数存在している。そして、新たな展開が始まることだろう。
あとは「お絵描き機能」との連携だ。以前、DoBlogの人に「どうせJava使って重くなるんだったら、お絵描きアプレット搭載してくださいよ。そしたらガンガン使いますよー」と言っていたのだが、それは実現しなかった。最近Naverがお絵描き機能を搭載しているが、ユーザー層がちょっと違っているようだ。今、お絵描き系の人たちが少しずつウェブログに移行しつつあるが、たとえばお絵描き掲示板BBS NOTE(日記モードもある)をベースに少し改造してお絵描きブログツールを作るのはそれほど難しくないだろうと思う(技術系の人にとっては)。これができたらまた面白い流れができると思うんだけどね。
そのうち、日付優位のブログから、もう少し「サイト構築」に重点を置いた「簡単ホームページ作成ツール」への変化も生まれてくるだろうと思う。つまり、静的生成可能なCMSツールとして、現在のMT系ツールが変化していくならば、とりあえず私は使う(笑)。
……あーあ、またブログ話をしちゃったよ(笑)。つーか、ここで書いた話、どこが最初に実現してくれるかな。
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BBSNoteは資料館で知ってから、色んなところで使わせて頂いてます。管理人さんのアナウンス『バージョンbはb14をもちまして 開発終了』がとても残念です・・・。一応BBSNote8.0b15が出たみたいですが今後、開発は続くんでしょうかね?個人的に気にいってるのでのらさんには頑張っていただきたいところです。
しぃ堂さんがリニューアルで使われてるRSSやトラックバック実装のNickyに負けないようにBBSNoteもトラックバック積んでから終了しないかなぁ・・・@無茶言ってます。
つーか「BBSNote8.0b15」で検索してjingshangさんのブログ発見( ̄ー ̄)。
>2
・・・(汗)
Bulkfeeds: RSS Directory & Searchってやつですか?異常に重いのと(検索かかってから巡回でもしてるんですかね?)使い方もいまいちよく判らないので私使ってないけど・・・
便利そうですね・・・(冷汗)
どーだろ。TeaCupは「みんなの掲示板」という掲示板コミュニティにも参入したけどコケてるし、微妙な気も…笑
ココログは確かにターニングポイントな気はします。ISPの会員に提供したのは、やっぱ一般へのアピールとして凄く大きかったと思います。
それまではやっぱ新しいものにアンテナ張ってる人しか知らないものでしたから。
あとはExcite、Gooあたりのポータル系も大きかった気が。
んでやっぱこれから注目はKentさんがいつWeblogツールを配布しはじめるかだと思います!
「論者」たる松永氏に反論しようとする者はいないのだろうが、「日本の掲示板コミュニティはブログと親和性が高い」という認識に違和感を覚えるブロガーは多いと思う。
私もその一人だ。
同質な部分があるのは事実としても、むしろ異質な部分にこそ目を向け、そこにブログの可能性と必然性を見出すべきではないのか。
自分たちのブログを紹介する。
「日本で唯一のコミュニティをベースにした共有ブログ」と自称している『村の壁新聞 Miasa Shared Blog』だ(投稿者のリンク)。
「グループ」ではないが、このような「共有」のスタイルもあるということを知っていただきたい。
松永氏にとってブログとは「形態」と「機能」という2つの言葉で論じられるものなのだろうが、われわれは論じることなく、ただ「夢」という言葉を対置する。
「「論者」たる松永氏に反論しようとする者はいないのだろうが、」
「松永氏にとってブログとは「形態」と「機能」という2つの言葉で論じられるものなのだろうが、」
というところには悪意を感じますが、それ以外の点については次のエントリーで書いてみたいと思います。
「悪意」とは心外ですね。
松永氏に対して悪意をもつ投稿者がいるのは知っていますが。
批判でもなく、たんなる批評的表現です。短いコメントの中で最低限の論旨も示したつもりです。匿名でもありません。
発展的な記事を期待します。
suika-tohさんのコメントにからめて書いてみようと思いましたが、投稿の言葉の意味がわからないので逆質問的に。
・最初の1・2段落は「ブログは掲示板なんかとは違う」という意味でしょうか。
・そもそもブログは掲示板と別のものとして運用す「べき」ものなのでしょうか。
・わたしは「山田BBS」的な定義、つまり「日々更新される系のサイトはみんなひっくるめてウェブロでいいじゃん」という見解に賛同します。違いをことさら取り上げて「俺はブログだから偉い、掲示板は劣っている」というような神学論争には興味ありません。
・拝見したところ、何人かの投稿者が書いているスタイルである以上、グループブログそのものだと思いますが、このような共有のスタイルのブログはよくありますね。何か特別なもの(ブログが掲示板と違う!と主張されるに値する独自性)は何でしょうか。
・私のブログには「夢」がない、つまり技巧と議論だけなんでしょうか。
・わたしが今まで「ブログというのは表現の一形態にすぎない。そこに何を盛り込むかが大切なのだ。また、自分の表現したいことに合っているなら使えばいいし、そうでなければ使わなければいい」と主張してきたことはご存知ですか?それはsuika-tohさんが主張する「夢」と矛盾することでしょうか?
・ちなみに、わたしは「ブログ」というスタイルがはやろうとはやるまいと、正直、どうでもいいです。面白い企画がネット上に増えればいいんで。ただ、ブログ形式を活用するといろいろやりやすいなあ、というだけの話です。
・「あんたにあえて反論しようとしないけど、みんな心の中では違ってると思ってるよ」という趣旨は悪意ではありませんか?ストレートに話してもらえませんか?
多忙につき、今すぐお返事できません。
記事を書いてトラックバックします。
きちんと説明する必要がありそうなので。