三角関係で恋敵を斬り殺した大学生【成都】
中国・成都で三角関係のもつれから恋敵の左頸動脈を刀で斬って殺害するという事件があった(某エロゲのバッドエンドではありません⇒参照:独り言以外の何か - Overflow 『SchoolDays』が、まったり学園物語ではなく ○○○○ かつ ○○ で ○○ だった件について。ましてやサークルクラッシャーでもありません)。犯行に及んだ男は一度帰って同級生に、血染めの服を洗わせ、証拠の猟刀を捨てさせ、相手の生死を確認させた。そして、警察のおびき出しに乗って彼女に会いに来たところを逮捕された。――まあそれほど珍しい話でもないとはいえるが、その犯人の記者会見があったようで、これには驚いた。
■19歳の大学生、恋敵と対決して斬り殺す 無知な学友が血に染まった服を洗うのを手伝う
- 对决 19岁大学生手刃情敌 无知 同学帮他洗血衣
- 2005年05月23日 来源:天府早報
午後、1台のタクシーが綿陽駅の広場をぐるりと回った後に止まり、一人の男子が降りてきてから左右を見渡した。広場の中央に彼女がいるのを見ると、手を振って歩いていった。一歩、二歩……二人の距離は少しずつ縮まっていく。突然、5人の私服警官が現われて、この男子を捕らえた。
昨日(22日)、犯罪容疑者・郭飛は蓉城(成都)に護送されていった。人々を驚かせたのは、死者も容疑者も大学生で、殺人動機も「歓心を得ようと争った」だけだった、ということだ。
■捜索――“指名手配令”を放送
5月20日夜9時35分、オートバイに乗った一人の男子が北駅広場のあたりをぶらぶらしていた。そこで、広場の左角で二人の男と一人の女が争っているのに気付いた。1分後、バイクのライダーはもときた道へと帰っていった。時間が遅く、ぼんやりと暗くなっていたので、ライダーはさっきの女子が一人の男子を抱きかかえているのだけが見えた。
その右手は男子の身の傷口を覆っていて、鮮血は指の間を流れ、2人の衣服を濡らしていた。
「早く行って!」
女子は慌てふためいて泣き叫び、そばに立っていた刀を持った男子は急いでタクシーに乗って、夜の闇の中に消えていった。
その夜、駅前公安分局は警報を受け取った。「ある人が広場で殺傷された」と。人民警察は直ちに現場へ急ぎ、気息奄々の負傷者を成鉄中心医院に送って救急措置をとったが、手を尽くしたものの助からず、亡くなった。警察側は凶悪犯が刀類を身に帯びていると考え、交通放送局を通してタクシー運転手に対して、もし凶悪犯の行方がわかるなら警察に直ちに連絡するよう、注意を促した。
■交戦――猟刀は恋敵を刺した
昨日、駅前公安分局の刑事警察大隊の教導員・馬俊によれば、この事件の鍵は、娟娟(仮名)という女の子にある。
娟娟によれば、死者は成都のある大学のクラスメート・耿涼山といい、凶悪犯の郭飛は竜泉のある大学の在校生だ。
今年19歳の郭飛は2年前、同郷の人を通して娟娟とつきあうようになり、二人の関係は非常によかった。つい最近、郭飛は綿陽長虹公司で実習していたところ、ある人が彼女にアプローチしていると聞いた。郭飛は息巻いた!
5月15日、郭は成都に飛んで、娟娟が思い直して態度を改めることを望み、恋敵の耿涼山と話し合った。しかし、それは物別れに終わった。
20日の晩、郭飛は成都に来る途中でも彼女にひっきりなしに短信を発した。
「俺は君一人だけと会いたいんだ。あの男と会いたいとは思わない」
しかし、事は希望どおりに運ばなかった。郭飛が下車して見たのは、彼女と耿涼山が一緒にいるところで、親密な様子であった。3人は広場の左の角にやってきた。いくつかのやりとりがあって、郭飛は両目で睨みつけた。
「俺はお前を片付けてやる!」
「ここでやれるならやってみろよ!」
と耿涼山は返した。話している間に、郭飛は携帯していた10センチの折りたたみ式猟刀を取り出して、耿涼山の首の左に切りつけたのだ。
■おびき出し逮捕――ニュースを封鎖して「おびき出し」
21日明け方2時30分、耿涼山は手を尽くしたが、助からずに死亡した。警察は訃報を封鎖して、凶悪犯を落ち着かせることを決定した。
駅前公安分局局長の李運憲が自らこの事件の処理にあたり、人民警察がその夜すぐに参戦して戦機をつかむように求めた。
事件で人民警察は綿陽警察の協力を得た。郭飛が事件発生後すでに長虹公司に帰って、スケートのときに他の人とぶつかって傷ついたと偽り、学友に血染めの服を洗うのを手伝わせてから、会社を去った、ということがわかった。その間、郭飛は別の人を病院に向かわせ、耿涼山の負傷の状態を尋ねさせている。耿涼山は“死んでいない”という知らせを聞いたとき、郭飛の気持ちはかなり落ち着いたようだ。
人民警察は第2の逮捕案を実行することにした。それは、彼女を利用して容疑者をおびき出して逮捕するというものである。
21日午後3時40分、郭飛と一人の学友が1台のタクシーに乗って、綿陽駅広場で彼女と会うためにやってきた。すぐには車から降りず、まず広場をぐるりと回ってから、ようやく降りてきて、左右を見渡した。郭飛は広場の中央に立っている彼女に向かって手を振り、1歩、2歩と歩みを進め、二人の距離は少しずつ縮まっていく。それと同時に、付近に潜んでいた5人の私服警官が押し寄せ、捕まえた。昨日午前、犯罪容疑者の郭飛は成都へ護送された。
■驚き――学友が手伝って血染めの服を洗う
駅前公安分局の刑事警察大隊の教導員・馬駿は、この事件の解決全体の責任を負っている。
「犯罪容疑者の郭飛の凶行後、なんと学友が証拠隠滅することを手伝っていました。血染めの衣服を洗っていたんです。また、ある学友は、死者の消息を探って助け、また殺人に使った道具を捨てました。大学生として、基本的な法律知識さえわかっていません。彼らは刑法を犯していることを理解していないのです」
馬俊は、この「2005・5・20事件」は殺人事件であり、その引き起した社会問題は人々を不安にさせるものである、という。
(以上)記者・周海波 撮影・華小峰
■対話
昨日午前10時、記者は駅前公安分局の刑事警察大隊事務室で、犯罪容疑者の郭飛に会った。郭は短髪で、体はきゃしゃ、後ろ手に手錠をはめられ、うなだれていた。
記者:感情のぶつかり合いにあって、どうして冷静に考えなかったのか?
郭飛:人を殺そうとは思っていなかった。そのときはあまりにも息巻いていた。
記者:その時、殺人で負わなければならない法的責任については考えなかったのか?
郭飛:大体はわかってる。逮捕されて、刑罰を下される。
記者:後悔しているか? 自ら罠にかかりに行かなければよかった、とは思っていないか?
郭飛:だまされたことは後悔していない。自分の行為は自首ではなく、自分から網にかかりにきたのだ。
記者:大学生として、どうして自分の将来を大切にしないのか?
郭飛:まだ若いのだから、まだあやまちを改める機会がある。若い人が気軽にナイフを買ってくることができないようにしてほしい。自分の障害を除こうとして感情を自制できなくなったら、殺人もできてしまうだろう。
■講評――愛情は難題だ
19世紀のヨーロッパでは、女性の歓心を買うために、多くの騎士が決闘場で解決しようとした。この血なまぐさい絵を脳裏に思い浮べるとき、私たちは「愛情は難題だ」と思う。
そのとおりだ。愛情は満開のバラのようなものだ。よい香りが人を襲う。また、愛情は地獄の悪魔の呪いのようだ。なんとも扱いにくい。
愛と憎しみの間は小さい。19歳の大学生・郭飛はあきらめきれず、やぶれかぶれになって、猟刀を使って彼女の心を征服しようとし、失われた愛情を取り戻そうとした。しかしこの刀は、一生の恋愛を断ち切っただけではなく、父母・友人の心も断ち切り、いくつかの家庭が粉砕された。郭飛は、これらすべてを断ち切るような方法を使うのだ、と考えたことがあっただろうか?
放棄か挽回か。ああ思ったり、こう思ったり。郭飛はいつもノドに魚の骨が刺さったように思っていただろう。恋敵の影はノドから離れず、不快感は去らない。
悲劇の発生は、郭飛によれば法律が緩かったからだということだが、また、彼にはよい先生や友達がいなかったからと言うこともできる。もし郭飛が約束の場所に行く前に猟刀をしまっていれば、また迷いや苦痛を腹を割って友人や家族や先生に話すことがあれば、大きな過ちを犯すことはなかっただろう。
世界には未来を予知することができる者はおらず、愛情の教科書もない。しかし、この血にまみれた事件から一つの教訓を得ることはできる。すばらしい未来を描き出すことはできなかったが、耿涼山は郭飛の刀の下で、愛情の犠牲者として死ぬこととなった。このすべてを監督していたのは誰だろうか。娟娟だろうか? そうではない。この雷雨はあまりにも突然降りだしたもので、呆然とするしかなかった。娟娟は一生心安らぐことがないだろうが、ただ一つだけ信じられることがある。今後、娟娟の愛情には理性が加わるだろうということだ。
代価はあまりにも大きいが、警鐘を鳴らすことにはなった。
■仲偉
■その他の報道から補足
大学生挥刀杀死情敌 四川新闻网-成都晚报讯
- 郭飛――竜泉の某大学3年生(19歳)
- 王娟(仮名)――成都の某大学2年生(20歳)
- 耿涼山――王娟のクラスメート(20歳)
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