the sad sad planet ライブ ~Neige~ 2005/12/24 原宿アストロホール

 新宿駅周辺でのストリートライブを中心に活動し続けるストリート系インディーズバンド「the sad sad planet」(略称:サップラ)の10回目のワンマンライブが、2005年12月24日、原宿アストロホールで開かれた。ボーカル/作詞のそよぎちゃんと、ギター他/作曲の工藤さんに加え、ギター・ベース・キーボード・ドラムも参加したバンド編成でのライブである。今回で10回目のワンマンということだが、サップラと出会って一年半、確実にサップラは凄くなってきている。

2005年12月26日01:13| 記事内容分類:ライブ| by 松永英明
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 メインブログで前回書いたのはこちら。

 これ以来、何度かライブに行っていたのに、どういうわけか「サップラのライブレポートはメインブログで書きそびれる」という傾向があった。ストリートでは何回となく聴いているが、ライブハウスでの正式なライブに行ったもののみリストアップすると、以下のとおり。

  • 2004.07.11 渋谷O-Crest「向かい風の奇跡~共鳴~」
  • 2004.10.01 渋谷O-WEST「光と影のアルカディア」
  • 2004.12.19 渋谷BOXX「Noel~ノエル」
  • 2005.01.14 渋谷7th Floor「Melody Line vol.2~アコースティックな乙音色~」
    • いわさききょうこ、おかのあや、松本英子、the sad sad planet
  • 2005.02.01 渋谷BOXX「『雨のコンチェルト』発売記念プレミアムライブ」
  • 2005.05.13 渋谷O-WEST「光と影のアルカディア2~incomplete constellation~」
  • 2005.09.17 原宿アストロホール「ハートストリングス~early autumn~」
  • 2005.12.24 原宿アストロホール「~Neige~」
  • 2006.05.27 原宿アストロホール「LIVE 2006 絶対湿度」(予定)

 ワンマン7回+1回。サップラを知ってからは、インストアとか除いてかなり欠かさず行っている勘定になる。まあこれくらい行ってればサップラーと名乗っても怒られはしないだろう。

Neige

 オープニングはインスト曲「ちいさなひかり」。

 そして白いワンピースのそよぎちゃんが登場して、「雨のコンチェルト」へ。ここでいきなりそよぎちゃんが歌詞に詰まるというハプニングが。

 本当の理由はわからないけれども、原因は自分の仲間にあるかもしれない。実は関西からサップラライブのためにやってきたファンの友達がいるのだが、その女の子がいきなり感極まって涙をボロボロ流してしまったのだ。前回は1年前の「ノエル」に来たのだが、そのときは後ろの方で、背の低い彼女はほとんど見れなかったらしい。今回はかなり前の方に入れたこともあり、ライブが始まったとたんにもう涙が止まらなくなったそうなのだ。

 で、それを見たそよぎちゃんが思わず歌詞に詰まってしまったのではないか……というのが当人の弁。真相は不明。

 さて、このあたりから私が勝手に「ブラッディそよぎ系」と名付けているハードな曲連発。今回一緒に行ったヴィジュアル系ファンの子もはまるようなハードなサウンド、別れを迫られた女の子の魂の叫びを歌詞にした強烈な言葉、そして表情も鬼と化し、目がすわってくるそよぎちゃんの絶叫を含めた迫力……(そよぎちゃんをもてあそんだ男は、あの眼力だけで殺されると思います!)……背景黒に赤い血が流れるようなイメージの曲のグループ。テルミンまで使って恐怖感を煽るなんて、効果出しすぎ。それに合わせて、赤い毛糸を指に巻き付ける。これは「運命の赤い糸に縛られて身動きの取れない状態」を意味しているらしい。裏切られた女の情念をここまで表現しているのはすごいと思う。

  • カタストロフ
  • メロディアス
  • 空中ブランコ(NEW)
  • 嵐が丘
  • Search & destroy
  • マクベス

 赤い毛糸をはさみで切り落とし(曲の余韻で、リストカットのイメージにも見えたのだが……)、突然癒してくれるような曲に入る。ここからは優しく、あるいは楽しい定番の曲だ。「湿度系」(温度じゃないよ、湿度だよ)と呼ばれる由来ともなったそよぎちゃんの伸びる声がなんとも心地よい。

  • 地球の鼓動
  • 尊い瞬き
  • make a wish
  • クリスマスのうた(NEW)
  • Dear Princess
  • 陽だまりロンド
  • ムーピーゲーム
  • GO NOW

 「クリスマスのうた」と「陽だまりロンド」ではみんなで合唱してみたり、途中でいつもと違う腕の振り方をやってみたり、そよぎちゃん曰く「新しい試み」も盛り込まれてのライブだ。「陽だまりロンド」のシャボン玉も復活してちょっと嬉しかった。

 ちなみにサップラの客層は「新宿週末夜のストリート」で獲得される客層ということで、他のストリートバンドよりはやや年齢層高めじゃないかと思う。社会人が中心で、中高年も目立つ感じ。だから、みんなライブでも踊ったりはしない。しかし、ノリはいい。

 これまでのライブとの比較でいうと、そよぎちゃんがずいぶんステージ慣れしたという印象だ。以前のライブだともうMCとかどうしようとオタオタして工藤さんお願いって感じで、まあそれはそれで味があったのだけど、今はMCの時間でもかなりステージを掌握しつつある。つまり、歌えば空気を変えてしまうのは前からだけど、歌わないときにも流れを作っている感じ。という意味で、サップラのステージは確実に進歩しているように思う。

 さて、アンコール。

  • リトルレディ~ピノコのテーマ~
  • 青いブランケット

 前回のライブで初登場、そよぎちゃん一人でちょっととちりながらだったキーボード弾き語りの「リトルレディ」。おなじみブラックジャックのあのピノコをイメージした曲だが、今回は完璧。前回聴いたときにもうメロディは覚えてしまったくらい印象的な曲なので、今度のアルバムにはぜひ入れてほしい。

 そして、最近の曲では人気の高い「青いブランケット」が最後の最後。これは本当にいい曲だ。

 というわけで、次回ライブも行きますよ!

サップラに代わって宣伝。

 サップラの歌は、そよぎちゃんのいろいろな「思い」がストレートに伝わる歌ばかり。きれいごとばかりじゃない。でも安らいだり、優しくなったりもする。とりあえず行ける人は週末夜の新宿、ストリートで奇跡の歌声を聞いてみてください(寂しい星が瞬いたの「けいじばん」で最新ストリート情報がわかります)

 次回ライブは2006年5月27日「LIVE 2006 絶対湿度」原宿アストロホールにて。\2500。年あけてからストリートに行けばチケット買えるみたいです。ちなみに絶対湿度とは「一気圧で一立方メートルの空気中に含まれる水蒸気量をグラム数で表したもの」(広辞苑)ですが、「サップラ最強」という意味だそうです(笑)

今回のサップラバンド

  • ds.高嶋さん
  • b.フジボン
  • g.4+(よんぷらす)
  • kb.ただすけ

 ただすけくんが久々にサップラに復帰。彼のキーボード/ピアノはすごくいいよ。ただすけソロライブでも行きたいくらい。

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