「パクリ・盗作」スキャンダル読本 別冊宝島 1257(没原稿サービス)

 書店・コンビニで発売中の別冊宝島1257『「パクリ・盗作」スキャンダル読本――オリジナルっていったい何だ?』、ニュー評論家・栗原さんからの紹介があって原稿を二つ書いています(本全体の概要は栗原さんのところで。全体目次はこちら)。

 一つは、冒頭の記事になった「のまネコ」問題について。基本的に淡々と時系列順に出来事を追っていったわけですが、ひろゆきの不自然な発言が浮かび上がってくることが誰の目にもよくわかると思います。

 おそらく「反エイベックス」活動家の人たちにとっては腹立たしい最悪の記事といえるでしょう(笑)。最後の一段落では、反エイベックス運動の「罪」についての私の感想を書いています。ここが物議を醸しつつあります(笑)。

 もう一つは「ブログでの上手なパクリ方」。要するにいつも書いてる「正しい引用の仕方+肖像権のこと」なんですが、これは無難な原稿。

 で、もう一つ記事を書いたんですが、さすがに過激と言うことでボツりました(笑)。まあボツったんだから出してもいいだろうということで、この最後に載せておきます。

 そうそう、プロフィール欄で最後の一行が落ちてます。「など多数。http://www.kotono8.com」が抜けてる。ちゃんと文句のある人はこっちに誘導しようと思ったのに!

2006年1月26日21:47| 記事内容分類:告知(出版物など), 著作権| by 松永英明
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 ネット内の一部ではすでにこの記事を書いた私に対して激しい怒りを燃やしている人たちもいるみたいですが、まあ抗議があるなら編集部じゃなくてこちらに直接どうぞ。別冊宝島編集部にも「この記事についての文責はライター松永英明にあり、苦情はすべて松永が受けるべきである」ということを伝えてありますのでね。ちなみに、ASCII.PCの連載でのまネコ問題を書いたときは、女性からの抗議電話が編集部に一回あったそうです。

 といいつつコメント欄を閉じますが(笑)、だって反エイベックス活動家の人たちの言うことってもう同じ所ばっかりループしてて、すでに某所(松永のサイト内)では6周も7周もループしてるんですよ。「先生!あと何周したらいいんですか!」という叫びまで聞こえているんですが、ここでも不毛なループが続くのは間違いないので、コメント欄は閉じます。つまんないから。それに、コメント集まってきたら「炎上だ」とか言い出す奴がいて、そしたら「炎上→コメント欄閉鎖→ブログ閉鎖の流れに入ってきたな」と暗に閉鎖を促す奴が出てきて、コメント欄閉じたら「外部の声に耳を傾けずに逃げた」と宣伝されるという道筋が見え見えなので、ここのコメント欄は最初っから閉じておきますよ。

 別に耳をふさぐわけじゃないので、トラックバックは一応開放しておきますが、こちらへのリンクがないと受信できませんので注意。あとspamは弾きます。

 ネット内で、「のまネコ」記事のみならず他の記事も含めて『パクリ盗作読本』を批判している人たちの声もいくつか見ましたが、

  • 2ちゃんねらーの態度を批判することは「エイベックス擁護」だ
  • エイベックスを擁護することはあってはならない
  • 少しでも盗作疑惑のあるものは厳しく批判し続けなければならない

といった意見ばかりで、つまりさだまさしの『不良少女白書』の歌詞を借りるなら「何が正しくて何が嘘ですか 100じゃなければゼロですか」というような「○×」でしか判断できない人たちなんだな、という感想しか持てませんでした。

 余談ですが「徳永英明と一文字違いのライター」とかそういうつまらん言い方で憂さ晴らしするのは、他の読者にあまりいい印象を与えないと思います。松岡英明さんとも一文字違いです(そういう問題ではない)。でも、「松永英明」は両氏の名前からのパクリではありません、念のため。

 それと、私を「反2ちゃんねるの人物」とレッテル貼りして「だから彼の言うことは偏っている。信用できない」と印象づける人たちがいますが(ある意味、それは正しい。偏ってないとは思ってないし)、でもそういう人たちは自分が「パクリ糾弾活動家」「反エイベックス活動家」というレッテルを貼られて同じように「偏っている」と思われてもいいという覚悟の上なんでしょうね? だったらいいんですけど。

 とか言ってると、具体的な反証もできずに井戸の中から遠吠えしている人たちが少々かわいそうになってきましたが。あと、このブログ以外でいくらでもコメントできるところありますから、「コメント欄閉じてやがる」とかあまり嬉しそうに言ってるとはずかしいですよ。

 まあ、どうでもいいけど、本を読んでから批評してほしいですね。「活動家たちは法律論ではなく倫理を問題にしている」なんてことはちゃんと盛り込んである。そういう前提をまたぶり返して、えーい、一体もう何周目なんだ!

 では、以下ボツ原稿です。よく読むと他の人の書いてる内容とかぶりまくりの上にひろゆきに辛辣すぎるんで、そりゃボツってもしょうがないですな。

ネットにおけるパクリ問題――外に厳しく、内に甘く

 インターネットが著作権的に無法地帯だというのはすでに常識と言えるだろう。Winnyなどのファイル共有ソフトが、「自作ポエムを共有するんです」と言い訳をしながら、実際にはDVD・ビデオ・音楽などの著作物の違法流通に使われていたことは典型的だが、それ以外にも、著作権のあるものを勝手にウェブサイトで公開するような例は後を絶たない。

 その一方で、実社会で活躍するアーティストに対する「パクリ疑惑」の追求は、粘着ともいえるほど厳しい。もちろん、本当のパクリ問題がネットによって周知徹底され、メーカーによる回収などの結果を生むこともあるが、些細な類似点をあげつらう人たちも少なからず存在している。

 そして、もう一つ、ネットの中で生まれたものを営利的に使うことに対する反発も強い。その代表的な例が、〓〓で詳細に解説した「のまネコ」問題であるが、これらの「ネットで生まれた、著作権者不明なもの」に対する扱いは、このところ奇妙な動きを見せつつある。

 ネットのパクリ疑惑追及と著作権の問題について、ざっと概観してみることにしよう。

パクリ放題のネットが商業パクリを糾弾する

 そもそも、ネットにはパクリ作品があふれている。「のまネコ」問題の発端となったのは、著作権的に許可を得ていない音楽データをフラッシュ動画のBGMに使ったことだったが、そのような無断使用作品はネットにいくらでも公開されている。

 人気漫画の画像をスキャンして組み合わせ、せりふを変えてパロディ化する「コラージュ」も大人気で、特に人気漫画『デスノート』を使った「デスノコラ」は極めてレベルが高く、次々と量産され続けている。

 アニメやテレビ番組の画面を連続キャプチャして公開しているサイトも少なくない。確かにそういうサイトは、その番組を見ていなくてもわかりやすくて便利なようにも思えるのだが、著作権法的には、テレビ局の許可なくして決して許されない行為であるし、また、現在のテレビ局がそういうことを一般のサイトに対して許可することはありえない。

 二〇〇五年末には、平井堅の人気曲「POPSTAR」の替え歌「VIPSTAR」が大人気となった。2ちゃんねるの「VIP板」住人たちをからかった替え歌歌詞が公開されてからは、実際に平井堅そっくりの声で歌う人物も現われ、平井堅のPVに合成したものが出回るに至る。中には「本人が歌っているのか?」と勘違いする人もいるほど、完成度の高いものであった。しかし、いかにパロディとはいえ、もちろん著作権的には真っ黒なわけである。

 ただ単にキャプチャ・スキャン・コピーしたものをそのまま公開するレベルから、パロディや改編を加えた作品として公開するレベルまで、その「パクリ度」は様々だが、ともあれ著作権的には「無法地帯」となっているのが、現在のネットの実情である。

 しかし、ネットの住民たちは現実社会におけるパクリ=「インスパイヤ」や盗作に対しては極めて厳しい態度をとり続けている。このダブルスタンダードについては批判の対象ともなっているが、そこでよく持ち出されるのが「非商用、あるいはリスペクト精神のあるパクリならOK、商用、あるいは商業主義によるパクリは許さない」という勝手な理論である。「VIPSTARはOK、のまネコはアウト」と断言する人たちもいる。

 商用だろうと非商用だろうと、私的使用の範囲を超えて著作物を勝手に使うことは決して許されないのだが、「自分たちはOK、商業主義者はだめ」というローカルルールのもと、激しい攻撃が行われているのである。

ネットが指摘した盗作事件

 確かに、ネットでの指摘がきっかけとなって、アーティストやメーカーが正式に盗作を認めたという例はいくつか見られる。これらの盗作事件については、ネットでの声が上がらなければ、もしかしたらもみ消されていたかもしれない。

 有名なのは、二〇〇四年の安倍なつみ盗作問題だろう。これについては、別項目で詳しく解説されているので省略する。

 二〇〇五年八月には、美少女ゲーム「AIR」の主題歌「鳥の詩」が、シンガポール出身の歌手・永邦の台湾発売アルバム「珍愛真愛風行精選集」で勝手に使われ、タイトルも変更されて「melody(原創風行版)」つまりオリジナル版と表現されていたのである。

 これを発見したのは台湾・香港のオタクたちで、彼らが2ちゃんねるにたどたどしい日本語で「告発」したことから、日本のゲーム発行会社ビジュアルアーツも知るところとなった。実際には、「鳥の詩」のピアノアレンジ版としてネット上に公開されていたものが使われていた。これはアレンジ版の作者rinnさん自身の指摘があった。また、もう一曲「magic(原創風行版)」も藤島裕之氏が作曲してネットで公開していた「天使の休日」であることが判明。ネット上では、日・台・港のオタクたちを巻き込んだ騒動に発展していった。

 その結果、このアルバムは永邦自身も直接関与しないところで作られたベストアルバムであり、制作者・季忠屏が勝手に二曲を収録したことが判明。商品回収で決着することとなった。

 また、同じころ、バンド「音速ライン」のアルバム「街風」のCDジャケットで使われていたネコの写真が、ブログ「CilpyArmaldo」で公開されていたものそのままであることが騒ぎとなった。これはブログ管理人の小学生の弟が撮影したものであったが、会社に問い合わせたところ、「写真はメンバーが撮影したものです」といった虚偽の回答が戻ってきた。これに激怒した管理人はブログ上で経緯を公開。ネット上でも問題になり、最終的には十月、ユニバーサルミュージックが全面的に非を認め、謝罪するに至った。

 ところが、音楽ニュースサイト「ミュージックマシーン」で、このブログ自身も他のアーティストの写真を勝手に加工してアップしていることが指摘され、結局閉鎖という結末を迎えたのである。

 また、同じ十月には少女漫画家・末次由紀氏が「他のマンガをトレスしている」という問題が浮上、盗用(盗作)検証サイトなどでは徹底的な比較を試みている。これは講談社側が全面謝罪しただけでなく、全単行本の出荷停止・絶版・回収ならびに連載の中止という厳しい処分が下された。さすがに、これはあまりにも過剰な反応ではないかという疑問も出され、編集家・竹熊健太郎氏も自らのブログで末次氏をやや擁護するような意見を述べている。

 特に二〇〇五年後半には盗作問題がネットで大きくクローズアップされ、厳しく糾弾される例が続いた。

アーティストに対するパクリ指摘サイト

 一方で、このように明確な盗作だという結末を迎えることなく、ネットから盗作疑惑を突きつけられ続けるアーティストも少なくない。特にこれは、一部の検証サイトと、2ちゃんねる掲示板上でくすぶり続けている話題である。

 代表的なのがオレンジレンジだろう。彼ら自身が雑誌インタビューで「俺達の合言葉はパクろうぜ!です(笑)」と答えたという過去もあり、アンチ・オレンジレンジを名乗る人たちはその出典を探して「糾弾」していった。また、これらのオレンジレンジ糾弾サイトの盛り上がりを一部メディアも取り上げ、「オレンジレンジにパクリ疑惑」として広まることとなった。

 しかし、オレンジレンジのパクリ疑惑については現在盛り上がりを欠いている。そもそも、オレンジレンジの曲の作り方はコラージュ的なものであって、最初からオリジナル性が弱いことはわかっているのである。それをうまく組み合わせるところに彼らの作品のポイントがあるわけだから、パクリだ盗用だと指摘しても的はずれになってしまう。逆に、二〇〇五年八月には逆に「オレンジレンジが盗作された」という話題が持ち上がったほどだ。

 このほか、定番の「パクリ疑惑」としては、浜崎あゆみ、大塚愛、倖田來未といったエイベックス系アーティストの問題がある。楽曲、歌詞、そしてPVの映像などを徹底的に「比較検証」し続けているのだ。

 大塚愛は、二〇〇五年に出した二曲が問題になった。五月には「SMILY」がwyseの「friend」に似ているとされ、十月には「プラネタリウム」がファイナルファンタジー10の主題歌「素敵だね」に似ていると指摘されている。

 浜崎あゆみは、PVや画像、歌詞が盗作・盗用であると指摘され続けている。また、倖田來未についても、ジャケットがいくつかの洋楽作品の「パクリ」であるとする比較検証が行われている。しかし、これは明らかにパロディとしてまねているという指摘もあり、意図的な盗作・盗用として批判されるべきものかどうかの境界線は難しい。

 ところで、これらの盗作・盗用疑惑については、一定の傾向がある。まず、これらの話題を扱うサイトがかなり限定された範囲であること。2ちゃんねるは当然として、探偵ファイル、その他いくつかのアンチエイベックス系アーティストサイト、そしていくつかの検証系ブログサイトが中心となっている。2ちゃんねるで騒ぎ立てるために、定期的にメディアも「疑惑噴出」として扱うが、実際にはごく一部の人たちが問題視し続けているだけという見方もできる。

 それでも、ネット内では何となく「エイベックスのアーティストはいつもパクっている」といった既成観念ができあがってしまっている。それが「のまネコ」問題でアンチ・エイベックス的な感情として噴出したとも考えられる。

「ネット内のものを勝手に使うな」という理屈

 ここまで扱ってきたのは、すべて著作権者がはっきりしているパターンであった。他のアーティストのパクリ、他の漫画家のパクリという場合、著作者はすべて明白である。しかし、そうではないパターンも生まれてきた。

 つまり、インターネットの中で多くの人の手を経て生まれたキャラクターを、企業が商用に使おうとする場合、「勝手に権利を囲い込んで使うな」というネット内からの激しい反発が生じているのである。

 その典型的な例の一つが「のまネコ」問題であるが、これに先立ってすでに大きな事件が起こっていた。タカラ「ギコ猫」商標登録問題である。

 二〇〇二年三月十二日、玩具メーカー・タカラが「ギコ猫」を商標登録出願した。このギコ猫は、「モナー」と並んで2ちゃんねるで親しまれているキャラクターの一つであったがために、六月、2ちゃんねるユーザーを中心に反対運動が広まった。

 もっとも、著作権者が確定しないAA(アスキーアート=文字絵)に対して、商標登録すること自体は違法ではない。また、商標登録されたからといって掲示板で使えなくなるというわけでもない。

 しかし、2ちゃんねる管理人ひろゆき(西村博之氏)も正式にタカラに抗議文を出し、「「ギコ猫」はインターネットのコミュニティーで生まれて広まったものであることをご考慮頂きたいです」と伝えた。つまり、インターネットで自然発生的に生まれ、誰もが好き勝手に使っているものを、一企業が独占使用しようとするのは許せない、という主張だ。この主張は2ちゃんねるを中心に受け入れられた。

 その結果、反対運動が始まってまもなく、タカラは商標登録の出願を取り下げ、謝罪を表明したのである。

 だが、この事件はいくつかの問題を含んでいた。まず、「ギコ猫」自体の出自の問題だ。現在、ギコは確かに2ちゃんねるを代表するキャラクターの一つとなっているが、もともとは先行する「あやしいわーるど」掲示板で使われていたものである。

 もともと、アングラ掲示板の常連コブラ氏が「ギコハハハ」という笑い声を常用していたが、それがあやしいわーるどで一九九八年に流行。「ギコギコする(掲示板に書き込む)」などとして使われ、また固定ハンドル「擬古猫」氏も登場したのである。九八年十二月にはネコの姿の文字絵が登場、擬古猫氏はこれを使ってコメントを書き込むようになった。

    ∧∧
~′ ̄(´Д`)<ギコニャーニャー
 UU ̄UU

 この絵文字がそのまま2ちゃんねるに転載使用された。また、あやしいわーるどで別に流行していた「(゚Д゚)ハァ?」の顔が当てはめられ、もともとまったりキャラだった擬古猫は、煽り系キャラ「ギコ猫」として転化していったのである。

 こういった「擬古猫」時代を知っているあやしいわーるど系ネットワーカーは、「擬古猫をパクった」だけの2ちゃんねるが「インターネットのコミュニティー」を代表してタカラと交渉することそのものに疑問を抱いた。もしタカラが「擬古猫」を商標登録していたならば、あやしいわーるどの人たちは誰も問題視しなかっただろうとも推測されている。そして、この問題は「のまネコ」でもまったく同じように繰り返された。

ひろゆきがすべてのネット利権を握る不可解さ

 もう一つの問題は、2ちゃんねるなどで使われているキャラクターの使用権を、なぜかひろゆきに支払うことが当然という流れが生まれつつあることである。

 ひろゆきがタカラに示した抗議文では、次のように書かれていた。

今まで、アスキーアートを元にしたグッズや書籍など、

様々なものが生み出されております。

そういった自由にキャラクターを育て、

自由に使える状況を存続させるために

私自身で商標を登録して、

様々なユーザーに自由に使ってもらえるように

しようと考えていた矢先の出来事でした。

 タカラが商標登録するのは問題だが、ひろゆきが商標登録することに対してはほとんど問題視されなかったのである。しかし、ひろゆき自身が「インターネットのコミュニティーで生まれたキャラクター」と書いているものを、「2ちゃんねる」の一管理人にすぎない「ひろゆき」が商標登録することには、大きな問題がある。タカラに商標登録の権利がないならば、ひろゆきという個人にも商標登録の権利はないはずなのだ。すべてのインターネットユーザーをまとめ、権利の曖昧なものの権利を守っていくような組織があるなら話は別だが、そうではなく、ただ最大のコミュニティの管理人であるひろゆきがそのような権限を持っているはずはないのである。

 しかし、現在、ひろゆきは「インターネットのコミュニティーで生まれたキャラクター」の利権を独占する体制を固めつつある。

 二〇〇五年秋、「墨香オンライン」という韓国発のオンラインゲームに、モナーなどのキャラクターが登場することとなった。これについて疑問を抱いた人たちが問い合わせたところ、NETTSJAPANからこのような回答が来たというのである。

モナーなどほとんどのアスキーアートは作者が不明であり、

その著作権所有者も不明となっているのが現状です。

弊社では、恒常的に2ちゃんねる上で使用されているアスキーアートを

便宜上2ちゃんねるが管理していると判断し

その使用に関して管理人に確認を取りました。

これは、タカラ問題時における管理人の行動や発言などを元に判断を行っております。

今後AAを使用するに当たっても、その都度管理人と連絡を取り

適切に判断を行っていきたいと考えております。

 

つまり、AAを使用するにあたっての、

現状で最も番適切と思われる団体にコンタクトを取り、

そこからの承諾は受けている、ということです。

……

ドワンゴCMの件などの事例を踏まえ、

キャラクターロイヤリティは幾らであるかの確認を行いました。

当然、そこにはAAの独占使用や意匠登録などを行わないという

弊社の方針は先んじて伝えてあります。

結論としては、2ちゃんねるサイドとしては著作権を所有しているものではなく

またそれによって利益を上げることが目的ではないので

一切の金銭は必要ないという返答を受けました。

 

しかし、弊社ではAAを使ってプロモーションを行うということもあり

ロイヤリティを2ちゃんねるに供託し、将来的に著作権者が見つかった場合はその方に、

一定期間(期間は未定です)見つからない場合は、それを管理人個人の収益にするのでなく

2ちゃんねるの環境維持(サーバー代)などに運用するという提案をしました。

その提案には2ちゃんねる管理人も同意しております。

 しかし、この提案は奇妙なものであった。そもそも、著作権者がわからない場合には、2ちゃんねるなりひろゆきなりにロイヤリティを供託するのではなく、「文化庁」に対して供託するものである。そして、その上で初めて、文化庁長官の裁量で商用利用することができるのである。

 さらに、一定期間後、それを2ちゃんねるのサーバー代に運用するというのもおかしな話だ。2ちゃんねるのユーザーがいくら多いといっても、wikipediaのような公的サイトではなく、あくまでもひろゆきの個人運営サイトであることには違いがない。

 そもそも権限のないひろゆきが2ちゃんねる(ひいてはネット全体)を代表し、ロイヤリティを受け、それを一定期間後には個人サイトのサーバー代にまわす。あるいはひろゆきが商標登録して、みんなに自由に「使わせてあげる」。「ネットのみんなのもの」の権利を守るような話に見えながら、実はひろゆきにすべての権利が集まるよう、巧妙に仕組まれているわけである。これは「のまネコ」問題でもかいま見られた構図で、彼はエイベックスから「賠償金」を取ることまで視野に収めていた。

 また、ひろゆきが巧妙なのは、こうして手にしたロイヤリティの一部を慈善活動や災害復興に「寄付」することで免罪符としようとしていることである。『電車男』による彼自身の収益がいくらであったかはわからないが、新潟中越地震の被災者に一〇〇〇万円寄付したことばかりを強調し、あたかも「世のため、人のため、みんなのため」であるかのような印象付けを行なっているのである。

 ネット内では著作権を無視し、ネット外の著作物利用には厳しく糾弾する。そして、ひろゆきがその利権をすべて握る……今、インターネットではこのような構図が固まりつつあるのだ。

関連リンク

AIRオープニング曲「鳥の詩」盗作事件のまとめ[絵文録ことのは]2005/09/19

http://www.kotono8.com/2005/09/19tori-no-uta.html

ユニバーサルミュージックが写真を盗用

http://column.chbox.jp/home/bloguide/archives/blog/main/2005/10/15_025714.html

末次由紀氏の盗用(盗作)検証まとめサイト

http://cabin.jp/k55yuki/

オレンジレンジパクリ糾弾サイト

http://kyudan.55street.net/

[D]DigitalTownontheweb:インスパイヤカテゴリアーカイブ

http://nextxp.net/archives/cat21/

浜崎あゆみのあまりにも壮絶なパクり画像集(笑)|毒電波TV

http://ameblo.jp/poisontv/entry-10004474968.html

レコ大受賞記念「倖田來未のパクり画像集」に新作追加|毒電波TV

http://ameblo.jp/poisontv/entry-10005911169.html

タカラ・ギコ猫商標問題を考える

http://ruku.jfast1.net/giko/

タカラ逝ってよし

http://members.at.infoseek.co.jp/giko_2ch/

アスキーアートの未来をみんなで考えてみるWiki(旧・のまネコ問題Wiki) - 墨香オンラインのモナー使用に関して

http://www6.atwiki.jp/monasaver/pages/29.html

関連リンク

を載せようと思ったが、ここからリンクして荒らしや幼2園児(幼稚な2ちゃんねらー)が押しかけると申し訳ないので、都合よく「儀礼的無関心」を発動させていただきます。

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2006年1月26日21:47| 記事内容分類:告知(出版物など), 著作権| by 松永英明
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