オバマ大統領の名前は「祝福・美・曲がった」を意味する
次期アメリカ合衆国大統領としてバラック・フセイン・オバマ・ジュニアが選ばれた。名前が似ているということで福井県小浜市がオバマを応援して話題にもなったが、もちろんオバマは小浜と何のゆかりもない。
そこでオバマ大統領の名前の語源を調べてみた。あわせて、オバマの父方の系譜がケニアからスーダンにたどり着くこともわかってきた。
■オバマの父=ルオ族とスーダン
オバマの父(バラック・フセイン・オバマ・シニア)の出身地は、ケニア共和国ニャンザ州シアヤ県ニャンゴマ・コゲロ村である。そして、オバマの父は「ルオ族」である。
ルオ族はケニアで三番目に大きな民族グループであり、主としてニャンザ州西部に居住している。
ルオ族の有名な歴史家Bethwell Allan Ogotの著書 "History of the Southern Luo: Volume 1 Migration and Settlement"(南ルオ族の歴史:第一巻:移住と定住)によると、ルオ族はおそらく南スーダンのワウ(Wau)に起源があるという。
なお、ルオ族は、ナイロート族という民族の小分類である。ナイル川上流域のスーダン南部・ウガンダ・エチオピア・ケニア・タンザニア・ザイールに分布する長身の黒人で、ナイル諸語(ナイローティック・ランゲージ)を話す。ナイロートとは「ナイル川流域の(人々)」という意味の言葉である。
■バラック・フセイン・オバマ・ジュニアの名前の由来
「バラック(Barack)」は、アラビア語(および、アラビア語の影響を多大に受けているアフリカ東部のスワヒリ語)において「祝福」を意味する「バラカ(Baraka)」に由来する。同じ語幹を持つのが「ムバラク」で、「祝福された」を意味する。ムバラクといえば、エジプトのムバラク大統領が有名だ。
「フセイン(Hussein)」といえば元イラク大統領サダム・フセイン(サッダーム・フセイン・アブドゥルマジード・アッティクリーティー)が有名だが、もともとはアラビア語の人名で「美」を意味する言葉である。イスラム教の創始者マホメット(ムハンマド)の孫であるイマーム・フセインの名前であることから、イスラム教(特にシーア派)では好まれる名前である。
「オバマ(Obama)」という姓についての確かな情報はない。ただし、ルオ族の言葉であるドルオ語(Dholuo)で似た言葉としては「Obam」がある。これは「曲がった」という意味である。
したがって、「バラク=祝福」「フセイン=美」「オバマ=曲がった(?)」という意味であると考えられる。
ちなみに、小浜という地名は、関ヶ原の合戦の翌年1601年から築城開始された小浜城に由来するようである。
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