幸福実現党の研究(9)陰謀説の流布、「オウム武装化」と同じ道

かつて、オウム真理教・真理党は衆院選で敗退したとき、「選管によって票が操作された」と主張した。一方、幸福の科学・幸福実現党は「主要なマスコミの既存政党重視の姿勢が強く、日々の選挙報道など、新しい政党としては、参入障壁を感じた」(幸福実現党 東京都議会議員選挙の結果を受けて)と主張している。この「マスコミの陰謀」を始めとする陰謀説が、幸福実現党・幸福の科学内部で広まり始めているようなのである。

そして、衆院選で敗北したオウム真理教・真理党と同じ道筋を歩もうとしているように思われてならない。

2009年9月 3日22:12| 記事内容分類:幸福実現党の研究| by 松永英明
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「諸派」

選挙期間には、信者のブログ等で、幸福実現党が政党として扱われず「諸派」として報道されることなどについての憤懣が語られていた。その一例を挙げよう。

先日の総裁先生の福岡の講演でもふれらまれましたが、東京では マスコミが一斉に談合し、幸福実現党を報道しません。

大手新聞で「幸福実現党」と記載せず、「諸派」とするのも 公正な報道ではありません

日本の法律で国政における「政党」の要件としては「政治団体のうち、所属する国会議員(衆議院議員又は参議院議員)を5人以上有するものであるか、近い国政選挙で全国を通して2%以上の得票(選挙区・比例代表区いずれか)を得たもの」(ただし、現職議員がいること)と規定されている。

「政党」に該当しない政治団体は、Wikipediaによると、

  • 衆院選では選挙区で政見放送に出演できない
  • 衆院選で比例区の重複立候補が認められていない
  • 政党は比例区に1人からでも候補を立てられるが、政治団体は衆院では定数の10分の2以上、参院では10人以上(選挙区と含めて)候補を立てなければならない
  • 企業(法人)からの政治献金を受け取ることができない(政党以外の政治団体は、個人献金のみ受け取れる)

などの不利益がある(その他、ポスター枚数などにも違いがある)。

それに従い、マスメディアでも主に「政党」を主要政党として扱うことになっている。ただし、現有議席のある「政治団体」は、「議席を持たない政治団体」と一線を画している。

たとえば、今回の各メディアの「総選挙特集」ページでの扱いは以下のとおりである。

となっており、朝日以外は新党大地も「諸派」扱いとなっている(新党大地は地方政党扱いなのだろう)。厳密な定義としては、今回の衆院選が告示された時点では以下のとおりだった。

  • A)「政党」……自由民主党、公明党、民主党、共産党、社民党、改革クラブ。
  • B)過去に政党要件を満たしたことがあり、議席を有する「政治団体」……国民新党、新党日本。
  • C)現職の国会議員が所属している「政治団体」……みんなの党、新党大地。

(なお、選挙後、改革クラブは西村眞悟が落選して政党要件を満たさなくなり、みんなの党は5議席を獲得して政党要件を満たすこととなった)

つまり、(A)以外は厳密には「諸派」なのだが、「政党」ならびに現職のいる「政治団体」合わせて9または10党が、それ以外の実績のない政治団体(「諸派」)と区別されている。

もちろん、マスメディアとしては、諸派・無所属の候補を限りなく報道していると、売名行為の泡沫候補なども同等に扱うという「悪平等」に陥ってしまいかねないため、どこかで線引きする必要があるだろう(与謝野・海江田と、マック赤坂・唯一神又吉イエスを同じ分量で扱うのは、逆におかしなことになる)。これ自体は、特に幸福実現党のみを差別したというわけではないし、私は仕方のないことだと思う。

現職議員もおらず、今回当選するかどうかもわからない政党を、同列に扱うわけにもいかない。それはとりたてておかしなことだとは思わない。

だが、これに対して、幸福実現党は激しく反発していた。最大の候補者を立てたのに、マスコミでは「諸派」扱いで政党名が書かれない、しかも他の政党候補者の主張は報道されるのに幸福実現党の候補者の主張は報道されない、というのである。しかも、それがどうやら「幸福実現党をねらい打ちにした弾圧」のニュアンスを帯びて語られていたあたりに問題がある。

もし問題視するなら、マスコミを敵視したり、マスコミ陰謀論を語ったりするのではなく、公職選挙法そのものを改正する必要がある。公職選挙法を批判するのは、政治団体として認められる権利だし、幸福実現党も実際にそのような申し入れを行なった。

【09衆院選】幸福実現党が投票所の掲示で要請 - MSN産経ニュース

2009.8.24 18:29

 政治団体「幸福実現党」は24日、衆院選選挙区の投票所に掲示される候補者一覧で、同党の候補者に団体名が併記されず、政党の候補に比べ不利な扱いだとして、20日に総務省に改善を申し入れたと発表した。

 公選法は、所属国会議員数などで一定の要件を満たした政党の候補だけ、一覧に政党名を併記すると規定。幸福実現党はその要件を満たしていない。

ブログ記事「投票所での党名表記について、幸福実現党が総務省に抗議 - 日本の未来をマジメに考えるブログ」ではこのように書かれている。

幸福実現党は今回、全国で大量の候補者を擁立していますが、 投票所では、小選挙区では「幸福実現党」という党名は表記されません。 (比例では党名を出さないと投票できないので 「幸福実現党」という党名が表記されます)

具体的には、投票所で名前を書く時、目の前に候補者の一覧の紙が張ってあり、 それを確認しながら投票用紙に名前を書きますね。

問題になっているのは、その張り紙です。 候補者の下の「党名」は記載は空欄。 例えば「幸福実現党に入れよう」と思って投票所に来た人も、 他にも政党欄が空白の人たちと一緒に併記されているので、 誰が幸福実現党の候補者か、投票所ではわからないのです。

確かに、これは不利益だと思う。「スマイル党の党首」に投票しようとした人が「マック赤坂」という名前を忘れていたら、投票できない。「世界経済共同体党の唯一神なんとかイエス」とだけ覚えていた人は「又吉光雄」に投票できないかもしれない。今後、法改正によって、新党の新規参入に門戸が開かれることは、悪いことではないと私も思う。

だが、しかし。それを「不正選挙」と言い切るのはいかがなものであろうか。

+ 桔梗、紫色を包む・・・ 選挙管理委員会による 驚くべき不正選挙  幸福実現党への抑圧 -  すぶんろこ!の 九州独立運動 『立憲女王国・神聖・九州やまとの国』(2009年08月30日 21時11分06秒)

【選挙管理委員会が仕立てた不正選挙に驚く】

   八月三十日、総選挙、幸福実現党は名乗りを上げた歴史的な選挙

である。

 ところが、投票所に行って驚いた。

 幸福実現党候補の名前の下に、党名が記入されていないのである。

 無所属ならわかるが、マスコミ同様の無視を選挙管理委員会が指示

したものである。

 

 八月三十日の総選挙は違法である。

 直ちに、関係者の断罪と、選挙のやり直しをするべきである。

 国民の選挙の自由を侵害する政党名削除という横暴を行うとは、ず

いぶんと大胆な弾圧をするものだ。

 北朝鮮のミサイル攻撃をやめてもらうための取引でもあったのか。

 それとも、中国政府のさしがねか。

 北朝鮮に、ミサイル発射をためらわせたものは、幸福実現党の指

摘と、韓国のイ・ヨンバク大統領の毅然とした反撃姿勢によるもので

あろう。

 韓国は、よい大統領を選んだ。 

……唖然呆然。後半はもう、どこぞの嫌韓厨・反「特ア」極右民族派レベルの関連妄想に入ってしまっているが、その前もひどい。「違法である」と言い切った。

真理党・オウム真理教は、「選管が票の入れ替えを行なったから落選した」と主張したのをきっかけに、政界進出による民主主義的な改革ではなく国家の枠組みから離れての社会改革路線へと踏み込んで行ったのを忘れたのか。「マスコミ同様の無視を選挙管理委員会が指示したものである」「国民の選挙の自由を侵害する政党名削除という横暴を行うとは、ずいぶんと大胆な弾圧をするものだ」などという言い方が、真理党の敗北の弁とまったく同じだとどうして気づかないのだろうか。

「反日の実態」

しかし、これだけなら、一ブログの書き手である一信者の暴走といわれるかもしれない。では、上記のような嫌韓厨・反「特ア」極右民族派レベルの関連妄想に基づく陰謀情報を、衆院選立候補者が公式サイト内に掲載していたとしたら?

三重3区から立候補した野原候補は、このような情報が幸福実現党・幸福の科学内部で「転送」されていることを明らかにし、その内容を否定することなく垂れ流している。

のはらのりこ 三重3区 幸福実現党 公式サイト| あらら。どなたからか、こんな転送が。「反日の実態」ですか...。(2009.09.01)

あらら。どなたからか、こんな転送が。「反日の実態」ですか...。[国民が知らない反日の実態]から以下転送します。

現在、毎日のように民主党による政権交代を歓迎する報道がなされています。

なぜマスコミは、ここまで必死にそのような報道を続けているのでしょうか?

果たして正義のためでしょうか?

実はこれらの報道には次のような恐ろしい陰謀が背景にあります。

■■■■■■■■■■■
 中国共産党+在日勢力
   | 
   | 
日本を乗っ取る情報工作(CMスポンサー(パチンコ,サラ金etc))
   ↓ 
 マスコミ
   | 
   | 
偏向・捏造報道による洗脳(麻生バッシング・政権交代キャンペーン)
   ↓ 
 日本国民
   | 
   | 
民主党に投票
   ↓ 
 民主党政権の樹立

■■■■■■■■■■■

中国共産党や在日勢力(韓国民団・朝鮮総連)はマスコミを操り、

民主党政権を樹立させ([[民主党>民主党の正体]は恐ろしい売国政党です)、

日本を中国の属国にしようとしています。テレビCMを見れば、

在日企業(在日韓国人・朝鮮人が経営する企業)のパチンコやサラ金で溢れていることに気づきませんか?

在日勢力がテレ ビや新聞を支配することによって、日本人は知らず知らずのうちに誤った方向へと洗脳されてきました。

ちなみに民主党某議員のお話によると マスメディアは赤字続きで

6月の決算時期にM社が破綻することがほぼ確定するそうだ。

それに引き続いて、業界全体が打撃を受ける可能性が高いため

u氏とw氏が各政党に政権交代後、 各メディア社に公的資金(千億円規模)を投入するように打診したらしい。

もちろん自民党は拒否。

しかし民主党はその条件を飲み、代わりに政党の宣伝と、現内閣のネガティブキャンペーンを締結したとの話。

だからあたり前。

[国民が知らない反日の実態]から

オウム真理教はかつて、ユダヤ/フリーメーソン/イルミナティとその支配下にあるアメリカ合衆国の陰謀を語った。そして、アメリカの手先となっているとする日本の一部政治家(小沢一郎など)や公安警察、「JCIA」、それに操られたマスコミによって、数々の弾圧を受けていると主張した。国土法事件、坂本弁護士事件も弾圧であるとし、米軍・公安によって毒ガス攻撃を受けているのだから、それに対する防御が必要だと語った。そして、アメリカが日本を再占領し、隷属化しようとしているという危機を煽った(詳しくは、魔笛……戦いか破滅か ≪ オウム真理教の「負の遺産」に再録された、1994年当時のオウム真理教制作ビデオシナリオを参照のこと)。そのアメリカの攻撃に独自に対抗しようとして、オウム真理教がロシアの政界にルートを作り、教団武装化を進めていった――というのは、明確な事実である。

幸福の科学は、在日・北朝鮮・中国の陰謀を語っている。そして、日本人は、その在日勢力に支配されたテレビや新聞に洗脳されていると主張し、マスメディアや選管によって幸福実現党は弾圧を受けていると主張している。また、民主党は中国や北朝鮮の侵略を受け入れるかのごときキャンペーンを展開している。金正日が選挙投票日にもミサイルを撃ち込むという「守護霊インタビュー」まで発表した。

ここまで、すでに幸福実現党は「オウム武装化路線」とパラレルな道を歩んでしまっているのである。

幸福実現党は、現時点では、政党を結成し、北朝鮮のミサイルを防ぐための政策を取り入れるよう訴えている。しかし、やがて政界進出を完全に断念したとしたら? 幸福の科学が民主主義的な合法手段による政治改革を諦め、国家に任せきれないから自分たちで独自にミサイル防衛を行なおうと考え始めたら?

もちろん、オウム真理教と幸福の科学には違いもある。オウムでは出家制度があり、「現世での幸福」を切り捨てる教義もあった。その分、社会からの乖離も大きかった。一方、幸福の科学は「職員」として勤務しており、社会での成功を求める者が多い。社会からの完全な乖離は難しいかもしれない。

しかし、選挙演説などもできる優秀な人材を信者の中から300人以上も揃えて立候補させることができ、供託金11億円以上を没収されても痛くも痒くもなく、さらに選挙にかかる費用もまかなうことができるという実力を示した。ブログ等であらわれる信者の発言では、これらの陰謀論を積極的に展開し、選挙によっても信仰心が揺らぐことなく、むしろ結束が高まっていることがうかがわれる。いや、ここ15年ほど世間の話題にならなかった幸福の科学が、積極的に攻勢をかけている。それがどのように展開していくのか、私たちは選挙とともに忘れるのではなく、むしろ今から幸福の科学を注視していく必要があると思われる。

幸福実現党の研究シリーズ一覧

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2009年9月 3日22:12| 記事内容分類:幸福実現党の研究| by 松永英明
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コメント(8)

はじめまして。
拝読いたし感銘を受けたのでコメントします。
私としては秋葉原事件の加藤智大と同じ体臭を、現在の幸福の科学に感じています。現実の厳しさにさらされ、余裕を失った彼らが劣勢挽回と称して突出行為に出る危険性は高いと思います。注視していく必要があるでしょう。忘れると大変な事態を招きかねないと思います。

はじめまして。
コメントいたします。
私は現在の幸福の科学に、秋葉原事件の加藤智大と同じ体臭を感じて仕方ありません。
危惧で済めば良いのですが?

本当!何処かの右翼が言うせりふと同じ感じを受けますね。反民主と言うところで意見が一致と言うところでしょう。

さすがに武装化でテロ起こすことは無いと思うけれど、日本国を否定して新しい新国家を作ろうとする動きにはつながるかもしれんね。

テロという手段をとるとは思えないけれど、完全に日本国政府の正統性を否定する手段を取り独自に選挙を実施し勝手に日本国政府を名乗るなんてやり方をとるかもしれない。

もともと今の日本国政府が日本の正統な政府なんて誰が決めたんだろう?

もう一つの日本国政府ですか?
それよりも、
天皇制廃止が目的のひとつみたいだから、
平将門みたいに、
「新皇」宣言してしまうかもよ。
それと学校が那須できるんだよね。
那須には皇室の那須御用邸があるけど、
ちょっと心配
宮内庁さん大丈夫?

オウムの危険性をいちはやく警察に訴え、捜査を最初にお願いしたのが幸福の科学幹部職員と総裁です。それを、マスコミもだれも知らせないです。オウムの危険をあれほど指摘していたのに私達幸福の科学の声は無視されます。今回も中国と民主党の危険をいち早くいうために、出馬してまで言いましたが無視です。報道のほの字もされませんが、とうとう日米安全保障条約破棄という形で米国に突きつけられています。このままでは米・中を相手に戦争しなくてはならないという構図ができあがり、憲法9条のために、やられるだけです。中国の植民地にだけはなりたくないのに米国に見放されたら台湾ともども日本は中国に取られ、虐殺や財産没収ウイグルやチベットのようになるでしょう。

ブログを書くのは自由だと思われていますが、幸福につながる判断かどうかしっかりしてください。

確かにサリン事件以降以前よりあった宗教アレルギーの度合いが増して新興宗教に対する偏見は強くなりましたね。偏向報道があった、選挙管理委員会の恣意的な幸福実現党の排除があったという点に関しての反駁はあくまで民主主義を十全に機能させる意味でのものですから、
オウムの暴走の再来を心配する必要はありません。幸福の科学は基本的に仏教を基にしており
不殺生を戒めにし、日本の法律を守り良い構成員として社会に貢献していこうという団体です。大震災の時も、色々な災害が起きた時も幸福の科学はボランティアとして、また支援金を
送るなどして社会貢献運動を実践してます。幸福実現党の立党理由は純粋に日本を良くして
いきたいという無私の思いから来るものです。

それは総裁の妄言だから普通の人は知らないのは当然だろw
リアルにオウム事件に関わった者としてそういう戯言は看過できんのだよ
フライデー事件等でも結審してる”事実”すら信者には違う事言ってるし、裁判で立証すらできなかった教団の言う事実を信じてる(信じたい)信者と一般社会との乖離は埋められないよ。嫌がらせFAX攻撃しろとか指示出したのも認定されてるし
、反対者に対して高額賠償請求して黙らせろって総裁が指示だしてたとかも裁判で認定されてるだろ。
”法治国家の司法制度を悪用する行為で許しがたい” と言われる行為をしてるんだよ、オタク達の総裁は。それまで裁判を乱発してたのがこの判決でしなくなったろ?
反社会的行動してるんだよあんたの教団は
幸福の思想には如実に排他的選民主義が蔓延してる

このブログ記事について

このページは、松永英明が2009年9月 3日 22:12に書いたブログ記事です。
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