.review論考「女子十二楽坊はなぜ売れたのか( #co_article003 )」
西田亮介さん(慶應義塾大学政策・メディア研究科助教)らによるプロジェクト「.review」にいくつか論考を提出しています。その第一弾、「女子十二楽坊はなぜ売れたのか」が公開されました。論考へのご意見・ご感想等はツイッターにてハッシュタグ #co_article003 をつけてください。
.review(ドットレビュー)とは?
西田助教の説明によると、「project「.review」は、あらゆる知と、まだ世に出ていないあらゆる書き手、そして、あらゆるメディア、そしてあらゆる読み手をブリッジするハブとなる場となることを目指す」(project .review)。「冷静かつ正確に現状を見据えたうえで記述された処方箋にもとづく希望の言説」を求めて、「今、眼前に広がっている情況を、その最前線に立つ者たちの言葉で紡いでいく。そのうえで私たちのパースペクティブから見える「現在」を伝え、そこから新たな知とメディアの未来を作りあげていくこと」を目的とするプロジェクトだ。
まあ、要するに自分たちが論じたいことを前向きに論じていこうよ、というプロジェクトだと私は受け止め、そして参加することにした。
.reviewの経緯や意図については、【西田亮介氏インタビュー】新しい情報を発信するプロジェクト「.review」とは何か? :ソフトバンク ビジネス+ITを読むとわかりやすいと思う。
女子十二楽坊はなぜ売れたのか
論考は「.review - 女子十二楽坊はなぜ売れたのか」ページにpdfファイルでアップされているので、ご参照を。おおよそ1万字の論考である。当該ページには、アブストラクト(概要)とツイッターでの言及も掲載されている。論考についてのご意見・ご感想は、ツイッターにてハッシュタグ「 #co_article003 」を付けてツイートのこと(ハッシュタグの前後には、半角空白をそれぞれ入れるようにしてください)。
アブストラクトのみ、こちらにも掲載しておく。興味を持った方は上記リンクから本文参照のこと。
2003年7月24日に日本デビューした「女子十二楽坊」は爆発的なヒットとなった。デビューアルバムは中国のインストゥルメンタルバンドとして初のオリコン1位を獲得、紅白出演、武道館公演を成功させた。
抜群の知名度を誇った女子十二楽坊はなぜヒットしたのか。私は女子十二楽坊のファンサイトを開設した縁からスタッフとも関わって、その歴史を見てきた。本稿は、楽坊の結成から現在に至る歴史、日本におけるマーケティング戦略、そして女子十二楽坊と奈良時代の雅楽伝来との比較という3つの切り口から女子十二楽坊を分析したいと考える。
第一に、楽坊の結成においては、中国ロックバンドの父とも呼ばれる崔健をかつて売り出した王暁京が、坂本龍一の公演を北京で見たことが一つの契機となっている。このような楽坊の誕生にまつわるエピソード等を見、中国流行音楽史・中国民楽史における大きな転回点としての女子十二楽坊を分析する。
第二に、日本でのマーケティングを仕掛けた塔本一馬が、狙い澄まされた宣伝攻勢によって着実に知名度を上げたプロセスを解析する。
第三に、奈良時代に日本に伝来した雅楽と女子十二楽坊の共通項について指摘する。
音楽、音楽業界、マーケティング、音楽史などに興味のある方はぜひお読みください。
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