地方政庁を府と称することは、明治政府の初期(慶応四年すなわち明治元年)に起こったのである。
- 京都府(山城)元年閏四月二十五日 京都裁判所を改称
- 大阪府(摂津)同五月二日 大阪裁判所を改称
- 江戸府(武蔵)同五月十二日 市中取締所を改称
- →東京府(武蔵)同七月十七日 江戸府を改称
- 箱館府(松前)同閏四月二十四日 箱館裁判所を改称
- 長崎府(肥前)同五月四日 長崎裁判所を改称
- 神奈川府(武蔵)同六月十七日 横浜裁判所を改称
- 度会府(伊勢)同七月六日 山田奉行所を改革
- 奈良府(大和)同七月二十九日 奈良県を改称
- 越後府(越後)同六月三日 新潟裁判所を改称
- →新潟府(越後)同九月二十一日 越後府を改称
- →越後府(越後)二年二月八日 新潟府を改称再置
- 甲斐府(甲斐)元年十月二十八日 甲府城代を改革
(※ここでの裁判所とはすべて行政府の意味であって、今の裁判所ではない)
以上の十府は徳川幕府直領の地であって、奉行または城代・所司代の支配であったところだ。明治二年七月十七日、この十府のうち、東京・京都・大阪の三府以外はことごとく県と改称した。……
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