今回は、この本に絡めて考えた内容です。
この本は、世界各地の聖地を訪れた宗教学者である筆者の経験から、聖地 の条件を列挙したものです。
植島氏の考える「聖地の定義」は以下の9項目だと言います。
- 聖地はわずか一センチたりとも場所を移動しない。
- 聖地はきわめてシンプルな石組みをメルクマールとする。
- 聖地は「この世に存在しない場所」である。
- 聖地は光の記憶をたどる場所である。
- 聖地は「もうひとつのネットワーク」を形成する。
- 聖地には世界軸 axis mundi が貫通しており、一種のメモリーバンク (記憶装置)として機能する。
- 聖地は母体回帰願望と結びつく。
- 聖地とは夢見の場所である。
- 聖地では感覚の再編成が行われる。
すべての聖地がすべての条件を満たしているわけではないが、それでもこ れらの条件を満たしているように思われる、と植島氏は主張します。