先日、書店で見つけて購入したのが、この本。
内田一成『レイラインハンター ~日本の地霊を探訪する~』アールズ出版
かなりオカルティックな内容のブログ記事をもとにした本ですが、この本 はわたしからすればかなり「いい加減」なものです。別にオカルトだから 疑似科学だ似非科学だという意味ではありません。オカルトであっても何 であっても、きちんと事実に合わせて妄想しているのであれば何も言いま せんし、それはそれで面白い。しかし、事実ではないことをもとに妄想を たくましくしているという点で、どうにも受け入れがたい本なのです。
この本の第4章が「東京 江戸五色不動を巡る」となっています。小見出し が「江戸城を守る五芒星の結界/怪僧"天海"/光揺らめく不動明王」と なっており、これを見ただけでもヨタだとわかります。
詳しくはわたしのまとめたウェブ版「まぼろしの五色不動」を参照していただければいいのですが、その内容を簡単にまとめると、
- 五色不動(目黒・目白・目赤・目青・目黄)は江戸時代にはなかった。
- だから「天海僧正が江戸の結界として五色不動を作った」説はウソ。
- 三色までは江戸時代に存在した(目黒・目白・目赤)。
- 浅草の方に明暦不動というのがあり、それがメキ不動と呼ばれた可能性 はあるが、今の目黄不動(2箇所)とは何の関係もない。
- 目青不動は明治40年以後に現われる。
- 五つの不動をセットにするのは明治末から大正初期。
- 「五色不動」という名称自体、約100年前に生まれた。
- したがって、大江戸五色不動はなかった(東京五色不動なら間違いでは ないが……)
ということを調査しています。
そもそも、五色不動の場所も点々としています。今の五色不動の所在地を 線で結んで何か意味を見いだそうとしても、江戸時代の「レイライン」は 何も浮かび上がってきません。
……先日、早稲田に行く用事ができたので、ついでに目白不動と旧・目白不動 の場所に行ってきました。……
- レイラインハンターの錯誤
- 今の目白不動と昔の目白不動
- 五色不動の宿題が解けた?
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