《松永英明のゲニウス・ロキ探索――「場所の記憶」「都市の歴史」を歩く、考える 》はまぐまぐで発行されているメールマガジンです。

No.096:水の東京を訪ねて東京水辺ライン

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◎幸田露伴「水の東京」

以前から歩いてみたいと思っていたコースがあります。それは、明治末に 書かれた幸田露伴『水の東京』のコースをたどってみたいというものです。

幸田露伴 水の東京 http://www.aozora.gr.jp/cards/000051/files/1434_20710.html

青空文庫で一応全文読めますが、現代語訳しないとちょっと読みづらいん じゃないかと思います。

東京市に入るあたりから隅田川を下り、千住・向島・両国等々を経て東京 湾に出るまでがメインで、そこに流れ込む川として石神井川・神田川・日 本橋川や本所あたりを縦横に流れていた川も描写しています。このあたり は風流だとか、このあたりはいずれ工業地帯になるだろうとか、単なる地 誌ではなく露伴の感想やイメージ(露伴にとっての隅田川を中心としたゲ ニウス・ロキ)を語っているのが興味深い本です。

当時は目黒川や多摩川のあたりは「東京市」の外だったので、水の東京の 大部分は隅田川と神田川、そして今の江東区あたりの水路を描いています。 文字通り「下町」方面を川面から眺めた明治末の東京、という雰囲気です。

……

隅田川

  • 東京水辺ライン

小豆沢から両国経由でお台場まで


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