「物語」と一致するもの

フォトン・ベルトは存在しない

フォトン・ベルトに関するリンク集」という記事は去年の10月に掲載したものだが、どういうわけか毎日コンスタントに数十人の来訪者がいる(ページビューではなく実数で)。検索経由でトップページの10分の1前後のアクセスがあるという状態が長く続いている。つまり、それだけ「フォトン・ベルト情報」に関心を持っている人がいるということなのだろう。

 自分自身はフォトン・ベルトは「絶対にありえない」と思っている。とはいっても、こういう話そのものが嫌いなわけではない。別に「疑似科学信奉者」でもなければ、逆に「反・疑似科学の宣教師」にもなりたくない。今の科学でわからないこともあるだろうと思うし、ヒステリックに「疑似科学」を攻撃するのも、一種の宗教にしか見えない。だが、話のつじつまが合ってないとか、実態にそぐわない場合は、淡々と「それ、おかしいやん」と否定せざるを得ないわけである。

 まあ世の中には「スケプティック(懐疑主義)」とか「とんでも批判」という系列のサイトがあって、『神々の指紋』とか『聖書の暗号』とかについては批判的検証を詳細に行なっている(一部はヒステリックなものもあるようだが)。しかし、フォトン・ベルトについては日本語のまとまった反論が少ないように思われる。

 おおざっぱにまとめてしまうと、フォトン・ベルト物語とは、「2万6000年に2回、各2000年ずつフォトン(光子)の帯の中に太陽系が突入する。そのとき夜はなくなり、人類は進化し、悟った生命体になる。それをアセンションという。その時期はまもなくやってくる(2012年12月23日とか)」というのがおおざっぱなストーリーだ。

 ところが、これはどうしても裏付けが取れないのである。結論として、フォトンベルトは存在し得ない。

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泥棒の語源(滝沢馬琴のヨタ話)

 泥棒、ひるとんび、スリ、護摩の灰、かどわかし、ばかす・ばかされる……といった言葉の語源・由来について、滝沢馬琴がいろいろヨタ話をしています。『燕石雑志』という本の一部ですが、その中で友人にツッコミを入れられたりもしていて、何だか面白い。そこでこの「泥棒」ネタの部分を訳してみました。

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@(アットマーク)の歴史と呼び名

「@(日本ではアットマーク)」という記号についての起源について、少し調べてみた結果をまとめておく。アットマークというのは日本だけの呼称で、世界的にはまるで通用しないようだ。その歴史(そもそもの発端――中世と、電子メールでの使用)ならびに呼び方について、ロバート・フルフォード氏のコラムに詳しく書かれていたので、訳してみた。

※この記事は2004年のものです。最新の情報はアットマーク - 閾ペディアことのはを参照ください。

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虚構が真実味を生む。近松門左衛門の創作論「虚実皮膜」

 人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本作者である近松門左衛門(1653~1724)の芸術論として有名なのが「虚実皮膜(ひにく)」の論である。これは「創作においては、事実を完全に描写するのではなく、多少事実と外れるところがミソ」という話なのだが、ネット上ではなかなかその解説が見当たらなかった。

 この近松の話は、浄瑠璃だけではなく、一般の創作や表現活動で(つまり音楽やイラストなどでも)非常に参考になるものだろうと思うので、ここに虚実皮膜論に関する部分を全部現代語訳して公開したい。

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パクリの芸術 歌舞伎の「世界」と「趣向」

 正しいパクリ方論第二回。前回の正しいパクり方――藤原定家の「本歌取りの方法」に続いて、今回は歌舞伎の世界の話に入ります。

 その前に私の個人的な「正しいパクリ」と「正しくないパクリ=盗用」の境界線を明確にしておくと、それは「他人の着想を自分のものとは言わない。他人のものを使ったことをはっきりわかる形で示す」「先人に対する敬意を払う」という精神があるか否か、が最大の基準で、それ以外の形式的なものはその精神を反映するだけのものという程度にしかとらえていません。したがって、先日の「iframe問題」も完全に「盗用」と考えています。(※利用した作品の作者が「名前を出さなくていい」「出さないでくれ」という場合でも、「自分が発想した」と言わないのが筋でしょう)

 というわけで歌舞伎の話。

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第十惑星セドナ(仮)の伝説

太陽系10番目の惑星を確認 NASAが発表へ

米航空宇宙局(NASA)は、2002年秋にカリフォルニア工科大学の研究グループが見つけた冥王星の外側を回る天体について、太陽系の10番目の惑星だと確認し、米東部時間15日午後(日本時間16日未明)に正式に発表する。仮称として、イヌイット神話に登場する海の女神の名前から「セドナ」と名付けられた。
「第十惑星セドナ(仮)」の名前のもとになった海の女神セドナについての伝説が各種ネットで発見できたので、3種類ほど訳してみました。ちなみにイヌイットとはエスキモーと呼ばれてきた人たちのことです。

共通するのは、
・娘が人間じゃない相手のもとに嫁ぐ
・父親と一緒に実家に帰ることになる
・追ってくる夫(鳥人間)が海を荒らす
・父親は恐れて娘を海に投げ出す
・娘はカヤックの端に手をかける
・父親がそれを切り落とす
・落ちた指はアザラシやセイウチやクジラになる
・娘は海に沈んで女神になる
というパターン。どうしてこれが十番惑星なんでしょう?

※2005年7月発表の「第10惑星」については「第10惑星」は冥王星より遠く、大きい。発見者による解説ならびに裏事情 [絵文録ことのは]2005/08/02を参照してください。
関連記事⇒「第十惑星」セドナ(仮)の発見者は、惑星と考えていない

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韓国ブロギーアワード2003結果発表!

韓国のブログ大賞「ブロギーアワード2003」の結果が発表されました。ついでに、このブログではお馴染みEOUIAさんが独断でBlogberry Awardsを発表しているので、その結果も載せますね。なお、今回は面倒なので韓→日翻訳を通したリンクはつけてません。翻訳が必要な場合はhttp://enjoykorea.naver.co.jp/参照のこと。

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メタブログの謎にせまる ~ブログという構造に潜む自己言及の罠~

 半年前の話題をぶり返してまとめている「ブログ後発組」松永です。わらい。
 さて、今回は誰もがうすうす感じていながら論ずると泥沼にはまってしまう「メタブログ」についての話題です。長文なのでこういうのを読んでクネクネしたい人だけどうぞ。なお、タイトルは某掲示板にて提案されていたものを使いました。

Metablogging【メタブロギング/メタブログ】 [定義](動詞) ブログすることについてブログする、という行為。
[言葉のあや] メタブログは、ブログの世界ではかなり一般的な現象であって、特に新出メディアに惚れ込んだ新しいブロガーによく見られる。「メタブログ」という言葉には、しばしば微妙な否定的意味合いが込められている。メタブログについて、「へそ凝視」とか「ブログ自慰行為」と言う人もいる。
(はじめてのウェブログ:非公式ウェブログ用語集より)
ブログの話うざいかっこわるいちょうだせえいま日本の現状では自己言及的なかたちでブログの話してるサイトがブログだ(ニーツオルグの人)
 ブロガーはなぜ、ブログについて語りたがるのか。つまり、今回はメタブログについて語るメタメタブログです。わらい。

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ヤン・リーウェイ物語(その3)

中国初の宇宙飛行士の物語、第3回(完結)です。

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フォトン・ベルトに関するリンク集

一部で「2012年12月に地球が突入する」と騒がれているフォトン・ベルトに関するリンク集。これも某閉鎖ブログからサルベージ。結論としては、やっぱりフォトン・ベルトはありえない。

当サイト内の関連記事

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