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2010年電子書籍「元年」を振り返って考える「これからの電子書籍に必要なこと」
思い返せば私がKindle 2を初めて手にしたのがおよそ1年前、昨年のクリスマスであった。それから約一年、自分でも電子書籍を作ってみたり、売ってみたり、さらにKindle 3の衝撃を受けたりする中で感じたことがいくつかある。
本格的な電子書籍の大きなうねりが起こった今年を振り返って、これからの電子書籍に必要だと私が考えることを書いてみたい。
論旨のポイントは「電子書籍でレイアウトを無視してはいけない」「電子書籍はデバイスの特性を考える必要がある」「Kindleのように電子書籍デバイス単体で本が買えることが必要不可欠」である。
「自炊の森」に見る「自炊」の問題点
「自炊の森」という、店内コミックや同人誌をその場で電子書籍に「自炊」できる、自炊機器レンタルスペースが27日にプレオープンしたという(店内の漫画を「自炊」するレンタルスペースが仮オープン、裁断済み書籍を提供、ネット上は懸念の声多数 AKIBA PC Hotline!)。しかし、このサービスについては議論が高まっている。
私自身もこのサービスは著作権法的に「クロ」と考える。そもそも、私は「自炊」という行為に懐疑的ではあるが、自分が所有している本をどういう形にアレンジしようと、それはその人の勝手である。それを業として電子化するという時点で非常に怪しくなってくるし、さらに「自分が購入したのではない本」をスキャンさせて金を取るというのは、以下でも述べる理由により、完全に真っ黒だと思う。
第十一回文学フリマ参加記録
2010年12月5日に開催された第十一回文学フリマ参加記録。いろいろ次につなげる反省点もあり、非常に有意義な機会だった。
事前の報告は第十一回文学フリマ「エ-35」ことのは(@kotono8)出品リストを参照のこと。他の参加者の感想等は2010年12月5日(日)「第十一回文学フリマ」開催 - 文学フリマ事務局通信のトラックバック欄参照。
シャープ「ガラパゴス(Galapagos)」登場で考える「勝てる電子書籍リーダーの条件」
シャープから新しい電子書籍リーダー「GALAPAGOS(ガラパゴス)」が発売されることとなった。しかし、その製品をぱっと見ての感想としては、「iPadもどき」としか思えなかった。
「汎用機器iPadは正直「イマイチ」――読書専門機器キンドルとの対比、電子書籍のレイアウト[絵文録ことのは]2010/06/01」で書いたように、iPadとキンドルはまったく別の機器である。だからこそ、iPadかKindleか、という選択肢はある意味ナンセンスで、本を読むならKindle、いろんなことをしたいならiPadと割り切ればよい。しかし、ガラパゴスとiPadの違いはほとんど見えてこない。
実質的に今、電子書籍リーダーはiPadとKindleの二大巨頭が優位に立っている。Sony ReaderやSharp Galapagosをはじめとする第三極が「生き残る」ために必要な進化の条件は何かを考えてみた。なお、私は「iPadよりKindle派」であることを最初に明記しておく。以下の文章もそういう偏りがあるはずだ。
第一回電書フリマ( #denf717 )で考えた電子書籍の未来つれづれ
2010年7月17日、第一回電書フリマが開催され、わたしも「電書」を1冊出品した。フリマ全体での出品総数は64点、それを渋谷コラボカフェ・吉祥寺「四月」・京都白梅町の3か所で「対面販売」するという独特のシステムで、総売上点数は実に5206冊に及んだ。会場は人が入りきれないほどの大盛況で、いろいろな課題をあぶり出しつつ、今後につながる成功を収めたと思う。
先日訪れた東京国際ブックフェア/デジタルパブリッシングフェアで見聞きした内容とも絡め、今回の電書フリマで思ったことをまとめておきたい(なお、ブックフェアのレポートは電子書籍は波紋を生む「一石」となる « マガジン航[kɔː]に掲載されています。こちらも一読を)。
第一回電書フリマ出展!『初の「軍艦島上陸ツアー」参加記録2009』
2010年7月17日土曜日に開催される「第一回電書フリマ」に、新刊本を出展します。
題して『初の「軍艦島上陸ツアー」参加記録2009――グラバー・岩崎弥太郎と近代化遺産』。昨年4月、軍艦島上陸が解禁されて初めて催行された上陸ツアーに参加したときの記録です。
単なる廃墟としてだけではなく、その背後の歴史や生活などに思いを馳せる内容となりました。現地でわたしが撮影した写真100枚超が掲載されています。
電子書籍としてはePub、PC用PDF、キンドル用PDFの3種類で読めます。価格は300円。
汎用機器iPadは正直「イマイチ」――読書専門機器キンドルとの対比、電子書籍のレイアウト
iPadが発売されて、電子書籍の未来に注目が集まっている。
しかし、私自身は断然キンドル派である。何でもできる汎用機(だが電話はできない)iPadより、読書専門機器であることを貫こうというキンドルに好感を持っている。「大は小を兼ねるで、機能の多い方がよい」という意見があることも知っているが、特定の目的のために最適化された機器の使い勝手のよさも捨てがたい。
ポメラ・キンドル・ガラケー派のユーザーである私が、今電子書籍について考えていることを少し書いてみたい。ここには「電子書籍はレイアウトが重要」という主張も含まれる。
※この記事は多少出遅れた感はあるものの、BLOGOSのテーマ「iPad発売と、出版の今後」について書いたものである。
「カラー版キンドルはすぐには出ない」「キンドルストアとデバイスは別ビジネス」ベゾス氏発言 #kindlejp
アマゾンの年次株主総会に関する英文報告ブログによると、アマゾン創設者・CEOのジェフ・ベゾスが「キンドル(Kindle)は読むことに集中」「カラー版キンドルは近日中にはない」「キンドルのデバイスとキンドル本は別のビジネス」などの見解を明らかにしたという。
多機能をうたうiPadに対して、ひたすら読むための機器を目指すという方針は、キンドル派の私にとっては非常に嬉しいことである(同様の意味で、ひたすら書くための機能に集中しているポメラも好きだ)。カラーeInkは実用にはまだ遠いようだが、中途半端な状態では出さないという姿勢も好ましく思える。
以下、当該ブログの全文を翻訳してみた。