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2010年電子書籍「元年」を振り返って考える「これからの電子書籍に必要なこと」
思い返せば私がKindle 2を初めて手にしたのがおよそ1年前、昨年のクリスマスであった。それから約一年、自分でも電子書籍を作ってみたり、売ってみたり、さらにKindle 3の衝撃を受けたりする中で感じたことがいくつかある。
本格的な電子書籍の大きなうねりが起こった今年を振り返って、これからの電子書籍に必要だと私が考えることを書いてみたい。
論旨のポイントは「電子書籍でレイアウトを無視してはいけない」「電子書籍はデバイスの特性を考える必要がある」「Kindleのように電子書籍デバイス単体で本が買えることが必要不可欠」である。
シャープ「ガラパゴス(Galapagos)」登場で考える「勝てる電子書籍リーダーの条件」
シャープから新しい電子書籍リーダー「GALAPAGOS(ガラパゴス)」が発売されることとなった。しかし、その製品をぱっと見ての感想としては、「iPadもどき」としか思えなかった。
「汎用機器iPadは正直「イマイチ」――読書専門機器キンドルとの対比、電子書籍のレイアウト[絵文録ことのは]2010/06/01」で書いたように、iPadとキンドルはまったく別の機器である。だからこそ、iPadかKindleか、という選択肢はある意味ナンセンスで、本を読むならKindle、いろんなことをしたいならiPadと割り切ればよい。しかし、ガラパゴスとiPadの違いはほとんど見えてこない。
実質的に今、電子書籍リーダーはiPadとKindleの二大巨頭が優位に立っている。Sony ReaderやSharp Galapagosをはじめとする第三極が「生き残る」ために必要な進化の条件は何かを考えてみた。なお、私は「iPadよりKindle派」であることを最初に明記しておく。以下の文章もそういう偏りがあるはずだ。
Kindle、今夏ついに日本語表示!読書好きなら買わない理由のない新キンドル
電子書籍リーダーの一方の雄、Amazon Kindleがついに今夏、日本語などに対応する。2010年8月27日発売の新キンドル(Kindle Wireless Reading Device, Free 3G + Wi-Fi, 6)は日本語表示が可能になると明記されている。これで日本市場でも大きく注目を浴びることが予想される。特に、私のように「読書体験に集中した機能限定のKindleが好き、iPadとか興味ない」という人には朗報だろう。
今回は、この新キンドルの概要を訳してみた。
※注(追記):日本語(ならびに中国語簡体字繁体字・ハングル・キリル文字)も「表示」可能になりますが、それらの文字の書籍が販売されるようになるかどうかは不明。
汎用機器iPadは正直「イマイチ」――読書専門機器キンドルとの対比、電子書籍のレイアウト
iPadが発売されて、電子書籍の未来に注目が集まっている。
しかし、私自身は断然キンドル派である。何でもできる汎用機(だが電話はできない)iPadより、読書専門機器であることを貫こうというキンドルに好感を持っている。「大は小を兼ねるで、機能の多い方がよい」という意見があることも知っているが、特定の目的のために最適化された機器の使い勝手のよさも捨てがたい。
ポメラ・キンドル・ガラケー派のユーザーである私が、今電子書籍について考えていることを少し書いてみたい。ここには「電子書籍はレイアウトが重要」という主張も含まれる。
※この記事は多少出遅れた感はあるものの、BLOGOSのテーマ「iPad発売と、出版の今後」について書いたものである。
「カラー版キンドルはすぐには出ない」「キンドルストアとデバイスは別ビジネス」ベゾス氏発言 #kindlejp
アマゾンの年次株主総会に関する英文報告ブログによると、アマゾン創設者・CEOのジェフ・ベゾスが「キンドル(Kindle)は読むことに集中」「カラー版キンドルは近日中にはない」「キンドルのデバイスとキンドル本は別のビジネス」などの見解を明らかにしたという。
多機能をうたうiPadに対して、ひたすら読むための機器を目指すという方針は、キンドル派の私にとっては非常に嬉しいことである(同様の意味で、ひたすら書くための機能に集中しているポメラも好きだ)。カラーeInkは実用にはまだ遠いようだが、中途半端な状態では出さないという姿勢も好ましく思える。
以下、当該ブログの全文を翻訳してみた。
Amazon Kindle(アマゾン・キンドル):「反射光の電子ブック」という革命的に新しいメディア
Amazon Kindle(アマゾン・キンドル)をプレゼントされた。
これは、人類の読書史において画期的な意味を持つメディアではないかと思う(正確に言えば、キンドルだけではなく、E Inkを使った電子ブック機器である)。つまり、粘土板や青銅器などに刻んだ文字→紙媒体(手書き→印刷)→ブラウン管/液晶と変化してきた文字媒体の歴史の中で、「反射光の電子ブック」という存在は非常に大きな意味を持つ。
iPhoneやPC版のキンドルにはあまり画期的な意味はない。それは従来のブラウン管/液晶画面上での読書体験である。E Inkを使ったキンドルこそ、画期的な意味を持つ新しいメディアなのだ。