AIRオープニング曲「鳥の詩」盗作事件のまとめ

 ギャルゲーソフトハウスKey(⇒はてなキーワード解説)の「AIR」というゲームのオープニング曲「鳥の詩」が、台湾の永邦というアーティストのアルバムで盗作されていた。香港のブログ「白爛日報 ver. blog」や中国での報道などをもとにまとめてみた。

 結論を先に言うと、台湾のプロモーター季忠屏が永邦に無断でベストアルバムを作り、その中に永邦の歌も入っていない二曲を入れ、著作権手続きもせずにオリジナルと称して販売した、というのがことの顛末だ。永邦も被害者のようである。

2005年9月19日04:11| 記事内容分類:オタク文化, 中国ネット事情, 著作権| by 松永英明
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 以下「後知後覺 其之二: 抄襲鳥の詩 2005/08/28 - 白爛日報 ver. blog」を主に参考にし、中国のニュース報道の翻訳等を加えてまとめたもの。「太平洋游戏网:惊爆!歌手永邦涉嫌抄袭名曲《鸟之诗》」「太平洋游戏网:阴谋?儿戏?永邦《鸟之诗》事件后续」も詳しい。

永邦「珍愛真愛風行精選集(新歌+精選) 」

 永邦(ヨン・バン)は華人系シンガポール人アーティストだ。英文名はSHAUN。プロフィールによると、誕生日は7月1日、血液型はB型、身長176cm、体重64kg。今までに四枚のアルバムを発売している。

  • yongbang2001.jpg「永邦」2001年11月 BMG
  • yongbang2002.jpg「Shaun.come」2002年10月 BMG
  • yongbang2004.jpg「一追再追 永邦精选情歌 REFILL」2004年04月 BMG
  • yongbang2005.jpg「真爱珍爱 2005 风行精选集 (新歌+精选)」2005年08月 新力博德曼(SONY BMG)

 さて、2005年8月5日に発売されたこの四枚目のアルバム(珍愛真愛 2005 風行精選集)が問題となった。発売は台灣 新力博德曼音樂娛樂股份有限公司 (SONY BMG Music Entertainment (Taiwan) Ltd.)。この二枚組アルバムのうち二曲が盗作ではないかという疑惑が持ち上がったのだ。

fake_back.jpg

 アルバムジャケットの裏面(クリックすると拡大)。画像は「白爛日報」から。DISK 1の13「magic(原創風行版)」と14「melody(原創風行版)」が問題の二曲なのだが、「原創」とは「オリジナル」のこと。

melody:鳥の詩

 まず、「melody」のほうだが、これはゲーム「AIR」のオープニング曲「鳥の詩」そのものだ、と台湾のACG(アニメ・コミック・ゲームファン、要するに「ヲタク」)が騒ぎ始めた。ちなみに、このアルバムの発売日が「劇場版Air」DVD版と同日だったこともあって、騒ぎは大きくなった。

 また「永邦「Melody」とエロゲー「AIR」の「鳥の詩」|牧歌組合~耳コピとエロジャケ~」にはその詳細な検証がある。

実はアレンジ版midiを使っていた

22日追記。直接パクラレていたのは、実はrinnさん@rNoteの人が作った「鳥の詩」アレンジmidiだったという話。

rinnさんのは「二次創作」の範囲内と言えるだろうが、台湾版はその出典を明記せずに無断使用していること自体が問題といえる。

rinnさんについては「女子十二楽坊資料館の移転/ブラウザからのサイト構築」で取り上げたことがあったが、こんなところでまた絡んでくるとは。

Magic:天使の休日

 もう一曲の「オリジナル」も、実は原曲があったことが判明した。サイト「月夜のピアノ」で藤島裕之氏(AI)氏が公開しているmidi曲「天使の休日」がそれだ。

 この曲は、AI(藤島裕之)さん作曲、ニューエイジピアニスト・作曲家 須釜俊一さんが演奏したものである。

掲示板などでの盛り上がり

 この問題は掲示板などで激しく盛り上がりを見せた。以下、すべて中国語。

 その後、台湾のKeyファンは8月27日に日本語で掲示板に投稿し、日本人もその事実を知ることとなった。このあたりの経緯については「Kotone-Do: Ive 鳥の詩が台湾(シンガポール人)にパクられた。」に詳しい。

 そして、9月2日、台湾の芸能新聞「蘋果日報」でこのパクリ事件が報道された。以下、訳してみる。

永邦アルバム、アニメ主題曲パクリ疑惑騒動

【曾明進/台北が報道する】永邦が最近ひっそりと発行した「真愛珍愛風行珍蔵版」精選アルバムは、かつての人気曲と新曲を収録しているが、その中の「Melody」が読者投稿によると、日本の有名なアニメゲーム「Air」オープニングソング「鳥の詩」をパクったものだという。永邦は今台湾に来て記者会見を開くことを考えている。その原因は、このアルバムには自分が製作過程に参加しておらず、歌も自分が収録することを決定したのではないからだ。

 多くのACG(アニメ・マンガ・ゲーム)ネットワーカーたちは、最近、ネット上でしきりに永邦精選アルバムの曲「Melody」がひどいパクリだと訴えている。メロディと「鳥の詩」は90%以上が似ており、ネットワーカーたちはアルバムに「原創(オリジナル)」の二文字が載っていることを不満に思って「恥知らず」「大衆を騙している」と大量の抗議を投稿している。

製作に関与していないと潔白を訴え

二曲を比較すると、ストリングスのメロディ部分はたしかにかなり似ている。これに対して、永邦工作室の同僚は彼としばらく連絡をとっていないと述べた。ただし、今日午後、シンガポールから台湾に赴くという。永邦はすでにこの件がACG界に引き起こした討論については知っている。同僚は永邦のメッセージとして「わたしはこのアルバムの製作に関わっていない。歌はすべてレコード会社が収録したもので、わたしは他人の作品を盗作していない」と伝えた。そして、来台後は、記者会見を開いて説明したいと考えているという。

 このアルバムの発行責任を有するSony BMGレコード中国語事業所所長・劉天健はこのように述べた。「このアルバムは、我々は純粋にただ発行の仕事だけをした。収録した曲はすべて永邦のプロモーター季忠平が決定したものである」

永邦の新アルバムに盗作曲?

 長い間台湾でレコード発売のなかった永邦の新アルバムに収録された曲「Melody」「Magic」が盗作疑惑を受け、ネットワーカーの熱烈な議論を呼んでいる。さらには日本のウェブサイト上で「真愛珍愛2005風行珍蔵版」を検索すると、出てくるのはみなパクリ問題のスレッドだ。発行レコード会社Sony BMGは、会社は発行にだけ責任があり、詳細はわからないという。

 ネットワーカーによれば、永邦の新アルバムに収録された第14曲「Melody(原創風行版)」と日本のゲーム「AIR」の中でLiaが歌う「鳥の詩」のメロディがほとんど同じで、アルバム発行後、すぐに台湾Pttウェブサイトで多くの議論を呼び起こした。試聴版をアップする人もいただけではない。作品は明らかにオリジナルアルバムと称しているにもかかわらず、公然と他人の歌曲を盗作している、と批判している。

 そのほか、アルバムの別の曲「Magic(原創風行版)」はここ数日のあいだに日本の曲「天使の休日」の盗作であると指摘され、原作者AI(藤島裕之)はそのことを知った後、オフィシャルサイト上で永邦に抗議を行なった。

 また、永邦の新アルバムは季忠平が製作を担当しており、台湾Sony BMGは発行責任を請け負っただけであって、そのなかに収録された歌曲が盗作なのかどうかについてはわからないという。

 永邦と接触した元BMGレコードの社員によれば、永邦は台湾で新アルバムが出たことさえも知らなかったという。

永邦はプロモーター季忠平にはめられた?

 シンガポール出身の音楽創作人・永邦は、去年重唱アルバム「一追再追」を発売後、所属するBMGレコードとSONY音楽が国をまたがっての大合併をしたため、しばらく沈黙していた。しかし、最近突然「珍愛真愛風行精選集」という永邦のセレクションアルバムが登場した。その中の二曲がよくわからない「風行オリジナル版」とされている。しかも、これは日本のアニメゲーム主題曲の盗作だと指摘されているのだ。大陸で仕事をしていた永邦は国際電話でこう語った。「このセレクションアルバムのことについては、わたしは発行後にはじめて知ったものです。少し嫌な気持ちがしています。この二曲はどちらもわたしの創作ではないからです」

 この「珍愛真愛風行精選集」というアルバムは、永邦のプロモーター李忠平が所属する「也是音楽」が製作し、Sony BMGから8月初めに発行された。しかし、Sony BMGは発行のみに責任があり、加えて製作会社は宣伝に金を使わず、製品のパッケージの質もあまりよくないため、2枚組CDで3曲の新曲を収録とうたっているものの、このアルバムを知る人は多くなかった。ところが、この3曲の新曲を聴いた後、その中の「Tell Me Baby」は永邦が歌ったデモであることがわかったが、その他の二曲「Magic」と「Melody」は普通の演奏曲で、永邦の歌声はなく、ジャケットの歌詞にもこの二曲の作曲者と版権の文字は見いだせない。さらによくわからないのは、アルバムパッケージ上でこの二曲を「新曲」として紹介するとき、「風行原創版」という名称を用いていることだ。この二曲の創作人を尊重していないだけではなく、消費者を騙しているという疑惑があり、この二曲には多くの疑問を抱かせることとなった。

 やはり、精選アルバム発行後まもなく、この二曲を聴いた人たちがネット上で討論を開始した。この二曲の風行原創版と、日本の同人誌音楽サイトの二曲が90%もの一致度を見せたという。あるゲーム音楽に詳しいアニメ・コミックファンは、Melodyという曲について容赦なく批判してこう語る。「……もう一度言うけれど、これはすでに疑惑どころじゃない。根本的にこれは「鳥の詩」のピアノ楽譜をストリングスに変えて、曲名を変えてCDに収録し、『原創風行版』と冠したものだ。ただ天下が知らないことを恐れる」またある人は、これについて、シンガポール出身の永邦はひどいという。「Melodyと鳥の詩の二曲は、まったく同じだ」創作によって認められてきた永邦は、たちまちのうちに掲示板で非難を浴びまくったのだ。

 大陸で音楽製作に忙しかった永邦は、国際電話を受けたとき、多くを語ることを望まなかったが、状況がますます激しくなっており、すぐに身の潔白を示すことを決定して、単刀直入に述べた。「このセレクションアルバムのことについては、わたしは発行後にはじめて知ったものです。少し嫌な気持ちがしています。この二曲はどちらもわたしの創作ではないからです」

 永邦はまたこのように語った。「このセレクションアルバムが発行されてから、会社の同僚がネット上で見つけてすぐ、わたしは新曲が精選に加えられていることをやっと知りました。どうしてこのアルバムがあるのかよくわからなかったのです。もしわたしが精選アルバムを出すなら、すべてのつながりはすべて思い通りになっているはずですから。特にその数曲がわたしの書いた「新曲」ではないとわかって不愉快に思い始めています。もしこれがわたしと関係あるのならかまいませんが、この二曲がわたしの書いたものではありません。今、この二曲は日本の歌だという人もいます。わたしはいぶかしく思い、合点がいきません。このアルバムで、どうしてこんなことが起こっているんでしょうか?」

 永邦はこのようにも語った。「この二曲の歌は、どちらもわたしが創作したものではありません。今まで他人の作品を盗作したことはありません。これから、私は当然、季先生に会って事情を聞きます。このような行為については、責任を負うことができません」

 季忠平は永邦にセレクションアルバム発行のことを伝えていなかったという。これは、以前に永邦が一千万近くの出演料と印税を払っていなかったということがあって、すでにこの師弟は仲違いをしていたためだ。さらに、二人の契約には3カ月間しか残っていない時点で、永邦にお金を渡すために季忠平はやっと「一度清算」の招待をしたのであった。これに対して、永邦は答えることを望まず、また恩師を批評することを言おうとはしなかった。淡々と「このことのすべては、あの人が決定したもので、わたしは言うことができません。あの人とわたしのやり方は違うんです」とだけ述べたのである。

 そして、「也是音楽」は、この二曲の新曲は制作者の考えによるもので、デモ版のみが入っているという。ではどの製作人の決定なのかということについて、「也是音楽」側は答えなかった。

季忠屏は永邦の剽窃の罪名をそそぐ

【曾明進 台北報道】Sony BMGは先日、永邦《真愛珍愛風行 珍蔵版》ベストアルバムを発行したが、その中の《Melody》と《Magic》がパクリ疑惑を受けた。昨日、永邦のプロデューサー季忠屏はFaxで陳謝のお知らせを流した。「作業が周到でなく、この2曲の台湾での版権を得ていなかった。永邦、発行会社、日本の関係する版権会社にお詫びを申し上げます」とし、永邦にはパクリの罪はないとした。

承認を得ることを怠った

 季忠屏はこの歌が版権を得るプロセスを経ておらず、同意を得ないうちにアルバムに収録したことを認め、大陸から台湾に帰り、関連版権会社と権利についての協議をした。アルバム発行後、多くのACG(アニメ・マンガ・ゲームファン=「ヲタク」)ネットワーカーたちが、アルバム内のこの2曲の深刻なパクリを訴えた。メロディと「鳥の詩」は90%以上が似ているとし、ネットワーカーたちは永邦アルバムの「オリジナル」の文字に不満を抱いて、「恥知らず」「大衆をだましている」と大量に抗議を行なった。

 永邦自身も遺憾に感じ、急いでシンガポールから台湾の発行会社に戻って、解決案を協議し、昨日このように発表した。

「このアルバムでは、わたしは完全に製作・収録作業に関与していない。私は消費者と同じく、事後にこの2曲について知ったのである」

季忠屏氏が送ったFAXの翻訳

 当社が先日製作発行した永邦精選集アルバムの「MELODY」と「MAGIC」の二曲について、当社のもともとの計画では、永邦に国語(北京語)版を歌わせ、将来の永邦の新アルバムに収録する計画でした。わたくしは音楽創作人として知識財産権を尊重しています。そこで中国音楽著作権協会で費用を納め、この二曲の使用許可登録をしました。しかし、本社の作業が台湾での発行に間に合わず、原著作者と原版権会社VisualArts Co.Ltd.に対して先に台湾地区の著作権を受けるという作業を怠り、トラブルの原因となりました。わたくしはこの事情を知り、先日すぐに台湾へ帰って、原著作人である“原曲 鳥の詩 作曲 折戸伸治」と明記”及び版権会社とともに関係する版権作業を処理中です。当社が原著作者版権を尊重し、誠意を示すため、当社は特にこのように声明し、芸人・永邦、発行会社Sony BMGならびに原著作人“原曲 鳥の詩 作曲 折戸伸治」と明記”ならびに関係する版権会社に深くお詫び申し上げます。

也是音樂唱片有限公司 責任者:季忠屏

※本文中で原著作者名は日本語のまま“原曲 鳥の詩 作曲 折戸伸治」と明記”と書いてあり、どうやらこれが原著作者の名前だと勘違いしているようである(二個所にわたってそのようになっている)

台湾ではアルバム回収

 永邦の精選アルバムの中の「melody」と「magic」二曲の盗作と権利侵害で、発行責任のある新力博徳曼公司(Sony BMG)は知識財産権を尊重し、昨日、緊急に永邦の3500枚のアルバムを回収した。

 永邦のこの精選アルバムは、季忠平の経営する「也是音楽」が製作の責任を負っている。季忠平によれば、「melody」と「music」二曲の中国大陸の版権は、日本の視覚芸術公司(VisualArts)に対して購入済みだったが、台湾地区の版権は、永邦アルバム発行前には、発行作業があまりにも早かったので、日本に対して版権を取得していなかったという。

 永邦は自分の歌について知って、権利侵害のために昨日回収された後、文字で声明を発表した。アルバムに収録された「melody」と「magic」の二曲は、消費者と同じく、すべて後になってから事情を知った、という。

2005.09.15 『鳥の詩』盗作に関する公式見解

  • Key Official HomePageからの転載。本当はリンクだけすればいいところだが、上記の季忠屏氏の主張と併記しないと一方的なものになりかねないので、今回はあえて公式見解全文を掲載させていただく。

平素は弊社作品のご愛顧、誠にありがとうございます。

一部のファンの方々の指摘により、台湾SONYBMGより発売されました永邦氏のCD「真愛珍愛2005風行精選集」に弊社楽曲「鳥の詩」が盗作されている事実を知りました。

ファンの皆様には大変ご心配をおかけし申し訳ございません。

私達はただちに台湾SONYBMGに対して抗議し、次のように申し入れました。

1.WEB上での謝罪

2.当該曲が「鳥の詩」であり作曲者が「折戸伸治」であるとの明示

3.上記2点が満たされれば金銭的要求はしない

上記の申し入れを元に、現在台湾SONYBMGと交渉中です。

しかしながら、今日になってCD制作会社「YESMUSIC」の責任者季忠屏氏より、私達からすでに販売権を購入済みであるというような事実と違う発表が一方的になされました。大変遺憾に思います。私達は盗作抗議以降の彼らとのやりとりにおいて、大変不誠実な対応を感じており、今後も含めて私達の「鳥の詩」を彼らに販売するつもりはありません。

今日まで、日本のみならず台湾のファンの皆様よりも、ご声援を頂戴しており、非常に感謝しております。

今後とも弊社とKeyを宜しくお願い申し上げます。

松永によるまとめ+推測+見解

 シンガポール出身の歌手・永邦本人には知らされることなく、製作会社の代表、季忠屏が永邦セレクションアルバムを製作、台湾Sony BMGから発行された。その中には三曲の新曲が含まれていたが、一曲は永邦のデモ音源を使用していたものの、「melody」「magic」の二曲はネット上で手に入る日本の曲をパクったもので、しかもジャケットには「オリジナル」と明記されていた。しかし、当然ながら永邦の歌声はこの二曲には入っていなかった。

 季忠屏の主張によると、大陸で発売するための版権はとっていたが、台湾で発売するための版権はとっていなかった、と認めている。しかし、版権をとろうが取るまいが、「オリジナル」と書いた時点でアウトである。

 Key公式見解によると、季忠屏が販売権を購入済みであるという事実はないという。

 しかし、日本の会社と直接交渉をしていなかったとしても、大陸の著作権管理団体で著作物使用の手続きを済ませ、著作権料を支払っている可能性はある。ちょうどJASRACに著作権料を払えば、原作者にいちいち断らなくても上演できるようなものだ。だから、Visual Arts社は中国大陸の著作権管理団体に確認する必要があるだろう。

(22日追記:二曲ともJASRAC委託/信託曲ではないから、原作者に直接許可を得る必要がある。大陸の著作権管理団体が原作者に使用権料を支払っているかどうかが問題となる。ちなみに著作者が不明だが曲を作りたい場合、著作権管理団体に著作権料を「委託」しておき、わかった時点で払ってもらうという方法がある。もちろん、この場合は著作者を「不明」と明記しなければならない)

 まあ、どっちにしても台湾においては手続きなしで出してるわけだから、完全アウトである。

 この件については、歌手・永邦も被害者で、諸悪の根源は季忠屏だというのが実際のところではないだろうか。

(22日追記:台湾というのは、だいぶ減ったとはいえ海賊版が横行していた地域である。プロデューサーが以前に撮影した写真や配布されたデモ音源を使って「新アルバム」を作り、そこに新曲と称してネットから拾った曲を入れておいた、という形で永邦に知らせず勝手にベスト盤を作ってしまうというのは、そう珍しいものとはいえない。正規版を出していたレコード会社が海賊版を出す事例だってあるくらいだ)

おまけ

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はじめまして。「まとめ」お疲れ様です。
さて、「原創風行版」の「原創(オリジナル)」だけが一人歩きして、盗作騒ぎになっていると思われるのですが、台湾の知り合いに翻訳を尋ねたところ、「原創編曲版」と読むのでは、とのことです。つまり、「オリジナルからアレンジした版」と。
「珍愛真愛風行精選集(新歌+精選) 」に収録されている曲のうち、「原創風行版」以外は、作詞者、作曲者名が記載されており、盗作というよりも、いわゆる「盗用」と思われるのですが、いかがでしょうか。盗作と盗用とでは、意味合いが違ってきますから。

鳥の詩はジャスラックには登録されていないようです。大陸の著作権管理団体に登録されている可能性はまず無いでしょう。相手側の発表はただの嘘だと思われます。

※著作権管理団体というのは、権利者から委託を受けた楽曲に対してのみ、権利処理の代行を行う団体ですよね。これが勘違いでしたらゴメンナサイ。

>「オリジナルからアレンジした版」と。
いいえ、今度の「オリジナル」とは、精選集にある「新曲」の意味です。再録の旧曲から新曲を表示するために書いたのと思います。
実は「オリジナル」を附記する人はただインストの新曲に付加価値をつけたいだけ、あれは盜作だとわからないかもしれません。
そして、喩え「オリジナル」と附記しなくても、盜作である事実は変わらないでしょうね。

こんなことが…(20日以降)
http://rinn.e-site.jp/

台湾掲示板「Otakus Web」のスレッドなら,このスレッドが一番早いと思います。

http://otakus.dyndns.org/phpbb2/viewtopic.php?t=5332

このコメントは意味ありません。すみませんでした。

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このページは、松永英明が2005年9月19日 04:11に書いたブログ記事です。
同じジャンルの記事は、オタク文化中国ネット事情著作権をご参照ください。

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