「堀江貴文ビジネスマスターシークレット」が情報商材アフィリエイターに高額オファー
ホリエモンこと堀江貴文氏が講師をつとめた講義の動画をまとめた「堀江貴文ビジネスマスターシークレット」の無料動画が6月10日まで限定で3本公開されている。
調べてみると、これは情報商材系のアフィリエイターに「無料動画閲覧のための無料登録者一人当たり500円報酬」という高額オファーがなされており、さらに「実際に購入があればさらに1件あたり1万円の報酬」という、極めて高い投機的なアフィリエイトプログラムとなっていることがわかった。
情報商材によくみられるこのような高額アフィリエイトは、健全なアフィリエイトにとっても、また動画を含む電子書籍の世界にとっても決して好ましいことではないと思う。堀江氏にはこういうダークな商法にかかわってほしくない。
【追記】2010/6/23、6/25
堀江貴文ビジネスマスターシークレット
これを知ったきっかけは、情報商材系アフィリエイターがツイッターで私をフォローしてきて、その中にこのリンクがあったことである。情報商材アフィリエイトを主目的としたフォロワーに関しては気がつき次第即刻削除しているのだが(私は単にフォロワー数を増やすことを目的とはしていない)、とりあえずリンクしてみると、こんなページがあった(画面キャプチャはクリックで等倍に)。
ちなみに、6月10日(つまりこの記事を公開した当日)までの10日間限定公開である。
このページ構成を見て、私は瞬間的に「情報商材のセールスレター臭いな」と感じた。以前に書いた記事(情報商材の文化がわかる!たった1ページの記述で情報商材界の思考がガッツリわかる簡単な方法のまとめ![絵文録ことのは]2006/11/26)の条件をすべて満たしているというわけではないが、「期間限定」「チェックマークの多用」「無料なのに登録させる」といったあたり、少なくとも情報商材セールスレター(宣伝ページをセールスレターという)のノウハウを駆使しているのだろうと直感された。
そこで調べてみると、案の定、これはアフィリエイト設定がされていたのである。しかも、それは情報商材系のアフィリエイターが関わっているようだった。
3つの動画へのリンクを以下に記す(6月10日まで)。これは私自身のアフィリエイトリンクとなっており、そこからメールなどの情報を登録すると私に500円が入ることになるので、注意していただきたい。
(本当はアフィリエイトの絡まない動画公開ページを公開すればよいのだろうが、さすがにそれは営業妨害になりかねないので自粛する)
アフィリエイトの実際
情報商材系臭いと思った私は、普段見ないで放置してあるあるメールアカウントをチェックした。こちらは、過去に情報商材に関する取材のために使ったアカウントで、情報商材の発行者からのメールが溜まっている。
……案の定、あった。
一つは純粋に、ホリエモン無料動画を紹介するもの。
ホリエモン教材(無料)が公開スタートになりました。
内容だけではなく、キャンペーンとしても 面白くて学べますので、
ぜひ見てみることをオススメします。
もちろん、これはアフィリエイトリンクになっている。
そして、もう一人の情報商材発行者は、同じ動画を紹介しつつ、その後でアフィリエイトであることを明らかにしていた。
このホリエモン祭りに、参加したいアフィリエイターの方は、
ホリエモンアフィリエイトセンターに登録して下さい。無料動画登録で500円の高額報酬です。
先行で募集を行った方が結果が
出ると思いますので、
ホリエモンアフィリエイトに登録して
ホリエモンの動画を紹介してください。ホリエモンアフィリエイトは
こちらから登録可能です。当然、登録は無料です。
無料動画に登録するだけで500円の高額報酬。実際に販売される商品価格にはその報酬代も含まれるはずだから、かなり高額な商品が販売されるものと考えられる(なお、アフィリエイターにこのような紹介をした場合、紹介者にも報酬が支払われるツーティアシステムも今回採用されている。つまり、マルチではないが、自分のアフィリエイトに加えて、子となるアフィリエイターを誘えば報酬アップという仕組みである)。
そして、同じ情報商材発行者から6月4日に届いたメールのタイトルは、「無料で1000万円払います」とされていた。
6月1日(火)の18時からスタートした
ホリエモンの無料動画をプレゼントしています。もうすぐ20,000人が無料動画を見てくれています。
1人登録する毎に500円のアフィリエイト報酬を アフィリエイターさんにはお支払いするので
現時点で、合計1000万円の報酬額になります。
なぜ、無料動画なのに1000万円もアフィリエイトで
支払うことをやるのか?さすがに、なにも考えていないわけではありません。
無料で提供するには、ある理由があります。
なぜ、ホリエモンの動画を無料でプレゼントしているのか?
そして、その動画の紹介料で1件500円も払っているのか?
その答えは、この動画セミナーを見ればわかります。
しかも、この動画セミナーも無料です。ちょっと前に、FREEという本が流行りました。
インターネットマーケティングは特にこの
FREEという考え方が重要です。ホリエモンもFREEの重要性を話していました。
FREE(無料)で提供して
どうやってビジネスにしていくか
勉強してください。
要するにFREE戦略だと言いたいわけである。しかし、FREE戦略を知りたければ元の本『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』を読めばいいだけの話だし、さらに「週刊 ダイヤモンド 2010年 3/13号」のFREE特集を読めば非常に参考となる。別にセミナーや情報商材で教えてもらう必要もない。
それにしても、無料登録だけで1000万円以上。その資金はどこから捻出するのか、ということを考えるのが本当のFREE戦略のはずである。まさか、堀江氏が「2000万円ほどあげるから好きに使って」と寄付したとは考えられない。いや、そんなことをしていたらFREE戦略でビジネスになっていない。
その秘密は、ホリエモンアフィリエイトに書かれていた。
ホリエモンアフィリエイト
実際にホリエモンアフィリエイト登録サイトを見てみると、以下のようなシステムだと書かれている。
ホリエモンがビジネスについて語った動画を紹介するだけで、
1件あたり最大で1万500円という高額の報酬を手に入れるチャンスです。具体的に説明すると、
あなたが、ホリエモンの無料動画を紹介した人が、メールアドレスを登録すると
500円のアフィリエイト報酬が発生します。その後、あなたが紹介してくれた方が、ホリエモンのDVDを購入された場合、
あなたに追加ボーナスで報酬1万円が発生します。あなたは、ホリエモンの無料動画を紹介していただけるだけで、
500円+1万円のボーナス報酬を手に入れられるキャンペーンです。
アフィリエイト報酬が、無料動画への登録一件で500円というのも高額だが、DVD一件成約で報酬1万円が発生するというのである。
ということは、諸経費(DVD制作費、プレス費、送料、人件費等々)以外に1万500円を上乗せしても成立するだけの価格のDVDが販売されるということである。
しかし、ここで単純に本来のDVD代+10500円を定価とするようではFREEビジネス失格である。無料だからということで無料登録したユーザーの中で、どれくらいの割合が実際に購入するだろうか。ビジネス的に興味がある人たちではあろうが、「タダだから見てみる」人を購入に結びつけるのはかなり大変な話である(だからこそ、あの妙なセールスレターの文体が生まれたともいえる)。
おそらく数万円から十数万円以上の価格と思われる、セミナーDVDである。100人に一人の購入だとしても非常に高率である。1000人に一人でも、2万人が見たというなら20人の購入だ。
提供者がどれくらいの数字で試算しているか、実際にはわからないが、ここでは大甘に見て「2%=50人に一人」が実際に購入すると仮定してみる(ほぼあり得ない数字だが)。20人への無料動画アフィリエイト報酬は500×50で2万5000円。つまり、DVD1本の販売価格に、2万5000円+販売報酬1万円=3万5000円を上乗せせねばならないということだ(もしこれが0.1%=1000人に一人なら、無料報酬分だけで50万円+販売報酬1万円ということになってしまう)。
もちろん、DVDだけでなく、タケノコ的に他の商材やオプションで儲けることも考えられるが、巨額のアフィリエイト設定の裏には巨額の資金獲得方法がなければ理屈に合わない。
私には、この「ビジネス」が、健全なビジネスであるようには思えないのである。
なお、情報商材アフィリエイトなど、アフィリエイトの暗部を鋭く抉った快著が最近出た。著者のあびるさんから献本いただいてツイッターでは感想をつぶやいたが、ブログでもまとめてみたいと思っている。
追記(2010/06/23)いよいよDVD販売開始
上記の無料動画アフィリエイトだけで、登録アドレス重複除いて5万件、トップアフィリエイターは6千件のアドレスを集めたようだ。2位2千件、3・4位1800件、5位1300件。一件で500円の報酬。これだけで総額2500万円、トップ情報商材アフィリエイターは300万円稼いでいる。
そして、堀江貴文のビジネスマスターシークレット情報商材が24日正午から2日半限定で発売になるようだ。→販売ページ
「6月24日(木)昼12:00~6月26日(土)夜11:59の2日半」限定販売とのことで、金曜日の給料日を挟んで考える余裕を与えずに買わせようという魂胆が透けて見える。さらに、先着500本には「20万円相当の特典」とか、典型的な情報商材の販売スタイルになってきた。
さらに、先着500名のみ、20万円以上の費用がかかる特典が無料でプレゼントされます。
それは、「入学金5万円+受講料15万7,500円で36人が参加した経営者向けビジネス講義『ホリエモン学校』の全3回、5時間強の映像」だそうです。
という文面で宣伝しろとアフィリエイターたちには伝えられている。しかし、実際のセミナーの参加金額をそのまま特典の価格と考えるとか、正気なのだろうか(対面での価値は高いはずだし、それはコンサートや芝居とそれを収録したライブDVDが同価格ではありえないということを考えてもわかるはずだ)。ちなみに、ホリエモン学校は昨年開催されている。
「合計12時間半+3時間のプログラムで、年商1-10億円のビジネスをいくつも作れるようになる内容」とのことで、DVD12枚に収録されているという。セールスレターページにはこう書かれている。
このプログラムを実践するあなたは、年商数億円のビジネスを複数作る方法を マスターできますから、月商100万円、月商1000万円をコンスタントに生み出す ビジネスを生み出すことが出来るようになります。
要するに1億円のビジネスを手にいれるのにあなたはいくら出せるのかという判断 ということになります。100万円出しても安いという人がいるのは当然だとは思いますが、 最終的には自分で判断してくださいね。
販売価格がまだ示されていない時点ですでに「価値観のインフレ」が起こされている点は危険なカオリがプンプンする。
しかし、普通の思考回路に戻してみよう。市販のDVDであれば5万円~10万円前後の価格設定となるはずである。たとえば、DVD本編14枚+特典1枚の「機動警察パトレイバー DVDメモリアルボックス (初回限定生産)」はAmazonで新品74400円~コレクター商品99900円。初回限定版でこの値段である。DVD1枚3500円でも高いと感じられる今のご時世、5万~10万をはるかに上回る価格設定であれば「ぼったくり」と言わねばなるまい。
ちなみに、アダルトだが「SOFT ON DEMAND 15周年記念BOX 15枚組 [DVD]」はなんと新品で2510円という破格値である。
情報商材アフィリエイターたちには、ランキング上位者にこのDVD+特典+ステーキを進呈するというオファーもなされている。情報商材アフィリエイターたちが高額報酬+DVD+特典+ステーキを求めて血眼になってアフィリエイト宣伝を繰り広げる荒野の中で、その報酬を含めても充分な利益を出す価格設定とは果たしてどれほどなのか、注目したい。
追記(2010/06/25)9万7000円
現在、販売ページでは実際の販売が行なわれている。その金額は9万7000円。上記の「機動警察パトレイバー DVDメモリアルボックス (初回限定生産)」を基準価格とすれば、「コレクター商品」価格並であるが、辛うじて「ぼったくりとまでは言えない」価格に落ち着いた。わたしの予想としてはかなり意外な安値での販売であった。
しかし、情報商材らしい「価値観のインフレ」がこのセールスレターにも見られる。
「年商1億円、利益5,000万円のビジネスが確実にできるとしたらいくら払うか?」と言われれば、1,000万円払っても安いと答えるのが普通ではないでしょうか。
その10分の1の100万円でこのプログラムを販売したとしても、「どうしても欲しい」という方がいても何の不思議もありません。100万円で、人生が劇的に変わるわけです。
ただ、今回は、堀江の意向もあり、投資とリターンという視点で考えられるビジネスセンスのある人であれば、極めて安いと感じるであろう金額にしました。その金額は、
29万7千円
29万7千円であなたの人生が変わるとしたら、高いですか?あなたの人生の価値は、その値段と比べて高いですか?このプログラムを手にしなければ、どれだけのチャンスを逃すのでしょうか。でも、「負けてほしくない。勝って欲しい」そんな堀江の思いを受け止め、ビジネスで儲けるという人生での成功を手にする覚悟がある人を応援する意味で、投資しやすい値段にしました。
プログラムを何度も見て必ず実践し、結果を出すと約束していただけるのであれば、この値段でお譲りすることにします。その値段は
9万7千円
9万7千円の投資だけで、全15時間入った講義。そして、あなたの望んだ人生が全て手にはいるのです。
しかし、よく考えてみてほしい。人生に大きな影響を与える本が世の中には多々ある。その本が「これを実践すればいくら儲かるから、その何分の一の価格で提供します」というような価格決定法をされているだろうか? そんなことはない。印税・原稿料を含む原価や、市中の書籍価格の相場などから価格が決定される。単行本なら1000円前後から高くても2000~3000円前後、新書や文庫なら500~1200円前後、それを超える本はよほどページ数が多いとか、発行部数が少なくて印刷代がかかるとか、豪華限定版だとかというものである。
「実用書は稼げる額に応じて定価を決定」などというばかげた価格設定法は、まともな出版業界ならありえない。では、稼ぐためのテクニックなど皆無の京極夏彦はゼロ円なのか。お金儲けの方法を説いていないグラビア写真集は無料配布すべきなのか。そう考えると「5000万の利益を生み出す"考え方"を説いているDVDだから1000万円でもおかしくない」という発想がいかに狂っているかがわかるはずである。
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はじめまして。
伸と申します。
「堀江貴文ビジネスマスターシークレット」
が情報商材アフィリエイターに高額オファー
の記事を読ませていただきました。
私も無料動画観ました!
確かに極めて高額報酬設定のアフィリエイト
プログラムですね^^
わたくしもこのような堀江氏のダークな商法
には関わってほしくないと同感しますね。
失礼しました。