「Wikipediaをwikiと略」の版間の差分

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'''Wikipediaをwikiと略'''することは、言葉に厳密な人たちにとって非常な不快感をもたらす表現である。私は大嫌いである。
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'''Wikipediaをwikiと略'''することは誤りであり、言葉に厳密な人たちにとって非常な不快感をもたらす表現である。私は大嫌いである。
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Wikileaksが有名になるに伴い、「ウィキリークスはウィキじゃないのになんでウィキってついてるの?」というとんでもない誤解を生む事態に及んでいる。
  
 
これは英語表記のみに限定されない。「[[ウィキペディア]]を[[ウィキ]]と略」でも同義である。
 
これは英語表記のみに限定されない。「[[ウィキペディア]]を[[ウィキ]]と略」でも同義である。
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== Wikipediaをwikiと略してはならない理由 ==
 
== Wikipediaをwikiと略してはならない理由 ==
  
* ウィキ/wikiは、もともと「Webブラウザから簡単にWebページの発行・編集などが行なえる、Webコンテンツ管理システム」[http://e-words.jp/w/Wiki.html] を指す総称であり、WikiWiki、YukiWiki、PukiWikiなど多数のウィキシステムが存在している。
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* ウィキ/wikiはもともと「Webブラウザから簡単にWebページの発行・編集などが行なえる、Webコンテンツ管理システム」[http://e-words.jp/w/Wiki.html] を指す総称であり、WikiWiki、YukiWiki、PukiWikiなど多数のウィキシステムが存在している。また@wiki(アットウィキ)やlivedoor wikiなどのサービスもある。
* 通常、「ウィキ」と言えば、これらのウィキシステムについて話していると理解される。
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* 通常、「ウィキ」と言えば、これらのウィキシステムあるいはウィキサービスについて話していると理解される。
 
* ウィキペディアはその「ウィキシステムを使った百科事典」であることからの命名である。
 
* ウィキペディアはその「ウィキシステムを使った百科事典」であることからの命名である。
 
* したがって、「ウィキ」という言葉がシステムの仕組みを指す総称あるいは共通の名称として使われている以上、それを極めて限定されたウィキペディアを示す単語として使うことはできない。
 
* したがって、「ウィキ」という言葉がシステムの仕組みを指す総称あるいは共通の名称として使われている以上、それを極めて限定されたウィキペディアを示す単語として使うことはできない。
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* では「ペディア」と略すのは? これも不可。なぜなら、「ペディア」は「~百科」を意味する接尾辞として使われているので、「どのペディアかわからない」という混乱を招く。
 
* では「ペディア」と略すのは? これも不可。なぜなら、「ペディア」は「~百科」を意味する接尾辞として使われているので、「どのペディアかわからない」という混乱を招く。
 
* じゃあ「ウィキペ」は? 私自身が使うかどうかは別として、いいと思う。なぜなら「ウィキペ」の略称は他に使われておらず、混乱することがないからである。ちなみに、[[wikipedia:Wikipedia:ウィキペたん]]はすでに存在する。
 
* じゃあ「ウィキペ」は? 私自身が使うかどうかは別として、いいと思う。なぜなら「ウィキペ」の略称は他に使われておらず、混乱することがないからである。ちなみに、[[wikipedia:Wikipedia:ウィキペたん]]はすでに存在する。
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=== ウィキペディアをウィキと略してよいなら…… ===
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ウィキペディアをウィキと略すのは、
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* 「週刊少年ジャンプ」を「週刊」と略すようなものである。他の週刊誌と区別できない。
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* 「三越百貨店」を「百貨店」と略すようなものである。他の百貨店と区別できない。
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* 「FC東京」を「FC」と略すようなものである。他のサッカーチームと区別できない。
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* 「笑福亭鶴瓶」師匠を「笑福亭」師匠と略すようなものである。笑福亭鶴光など笑福亭一門と区別できない。「明石家」なら一人なのでかまわない。
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* 「AKB48篠田麻里子さんに来ていただきました」を「AKB48さんに来ていただきました」と略すようなものである。他のメンバーと区別できない。
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いずれも、「広い範囲に当てはまる言葉を限定的な用法で使う」(他にもその言葉で言えるものがあるのに排除してしまう)点で間違っているという共通点がある(ただし、日本語にはソーイングマシーンをミシンと略した悪しき前例がある。もっともこの場合は一般の機械はマシーン、裁縫機械はミシンという表記の区別が可能であった)。
  
 
== 考察 ==
 
== 考察 ==
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* たとえば、自動車はエンジンで動いている。しかし、他にエンジンが使われている機械が多数あるのに、自動車を「エンジン」と呼べば、何言うてはんのあんさん、エンジンが走っとったらえらいことなりますやんか、あんたどのエンジンのこと言うてはりますのん?という話になる。ウィキペディアをウィキと略すのは、これに近い乱暴な発話である。
 
* たとえば、自動車はエンジンで動いている。しかし、他にエンジンが使われている機械が多数あるのに、自動車を「エンジン」と呼べば、何言うてはんのあんさん、エンジンが走っとったらえらいことなりますやんか、あんたどのエンジンのこと言うてはりますのん?という話になる。ウィキペディアをウィキと略すのは、これに近い乱暴な発話である。
 
* このように、言葉をどのように略すかは、その人の意識を反映する。何を同一カテゴリとし、何を別の言葉で言い分けるかということは、言語学の意味論とも重なる重要な問題である。
 
* このように、言葉をどのように略すかは、その人の意識を反映する。何を同一カテゴリとし、何を別の言葉で言い分けるかということは、言語学の意味論とも重なる重要な問題である。
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== Wikileaks問題 ==
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2010年にWikileaksの存在がクローズアップされると、「ウィキ(=ウィキペディア)じゃないのにウィキリークスというのはややこしい」という発言がツイッターなどで散見されるようになった。ここでは、「ウィキ=ウィキペディア」であってそれ以外のウィキシステム/ウィキサイトの存在を知らない(あるいは無視している)人たちが、ウィキペディアと関係ないのにウィキという言葉を使うのはなぜか、という大きな誤解が生まれている。
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実際にはWikileaksはWikipediaで使うために開発されたMediaWikiというシステムを当初使用していたことがあり(ここ「閾ペディアことのは」も同じMediaWikiを利用している)、Wikipediaと一切の提携関係はないものの、Wikiであることは疑いようもない事実であった。
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また、一部には「Wikiは誰でも自由に編集できるもの」という思い込みもあるようだが、実際にはMediaWikiには編集者を限定する機能が存在している(ここ「閾ペディアことのは」も編集者はサイト開設者のみとなっている)。Wikileaksは誰でも勝手に編集できるのではなく、運営者チームが調査し直して信憑性があると考えたものを公開するシステムであるが、仕組みとしてはやはりウィキである。
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ウィキリークスと区別するために、ウィキペディアときちんと表記することが望まれる。
  
 
[[category:言葉遣い]]
 
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2011年1月29日 (土) 23:38時点における最新版

Wikipediaをwikiと略することは誤りであり、言葉に厳密な人たちにとって非常な不快感をもたらす表現である。私は大嫌いである。

Wikileaksが有名になるに伴い、「ウィキリークスはウィキじゃないのになんでウィキってついてるの?」というとんでもない誤解を生む事態に及んでいる。

これは英語表記のみに限定されない。「ウィキペディアウィキと略」でも同義である。

ウィキペたんからの「ウィキペディアをウィキと略すな」という注意

Wikipediaをwikiと略してはならない理由

  • ウィキ/wikiはもともと「Webブラウザから簡単にWebページの発行・編集などが行なえる、Webコンテンツ管理システム」[1] を指す総称であり、WikiWiki、YukiWiki、PukiWikiなど多数のウィキシステムが存在している。また@wiki(アットウィキ)やlivedoor wikiなどのサービスもある。
  • 通常、「ウィキ」と言えば、これらのウィキシステムあるいはウィキサービスについて話していると理解される。
  • ウィキペディアはその「ウィキシステムを使った百科事典」であることからの命名である。
  • したがって、「ウィキ」という言葉がシステムの仕組みを指す総称あるいは共通の名称として使われている以上、それを極めて限定されたウィキペディアを示す単語として使うことはできない。
 
  • もし仮にウィキという言葉が他に(ほとんど)使われていなければ? その場合はウィキペディア=ウィキと略しても問題ない。
  • たとえば、携帯するものは非常に多くあるが、それらの携帯物すべてを「携帯」という総称で呼ぶことはなく、また他に「携帯」だけでこの物品を指すという例は見当たらないので、「携帯電話」を「携帯」と略しても混乱が起きない。つまり、単に「携帯」と呼ばれるものがほかにないから可能なのである。「携帯」と聞いて「携帯灰皿」を思い出す人はほとんどいない。だから携帯=携帯電話でいいわけである。
  • 言葉とは、事物を区別するためのものである。「ウィキ」で指し示すものがすでに他にあるのに(しかもそれが語源)、「ウィキペディア」を「ウィキ」と略せば、他のウィキなのかウィキペディアなのか混乱が生じる。
 
  • では「ペディア」と略すのは? これも不可。なぜなら、「ペディア」は「~百科」を意味する接尾辞として使われているので、「どのペディアかわからない」という混乱を招く。
  • じゃあ「ウィキペ」は? 私自身が使うかどうかは別として、いいと思う。なぜなら「ウィキペ」の略称は他に使われておらず、混乱することがないからである。ちなみに、wikipedia:Wikipedia:ウィキペたんはすでに存在する。

ウィキペディアをウィキと略してよいなら……

ウィキペディアをウィキと略すのは、

  • 「週刊少年ジャンプ」を「週刊」と略すようなものである。他の週刊誌と区別できない。
  • 「三越百貨店」を「百貨店」と略すようなものである。他の百貨店と区別できない。
  • 「FC東京」を「FC」と略すようなものである。他のサッカーチームと区別できない。
  • 「笑福亭鶴瓶」師匠を「笑福亭」師匠と略すようなものである。笑福亭鶴光など笑福亭一門と区別できない。「明石家」なら一人なのでかまわない。
  • 「AKB48篠田麻里子さんに来ていただきました」を「AKB48さんに来ていただきました」と略すようなものである。他のメンバーと区別できない。

いずれも、「広い範囲に当てはまる言葉を限定的な用法で使う」(他にもその言葉で言えるものがあるのに排除してしまう)点で間違っているという共通点がある(ただし、日本語にはソーイングマシーンをミシンと略した悪しき前例がある。もっともこの場合は一般の機械はマシーン、裁縫機械はミシンという表記の区別が可能であった)。

考察

  • ウィキペディアをウィキと略す人は、ウィキペディアを理解していないと見なしうる。なぜなら、ウィキペディアを理解していれば、それが基づいているシステムこそがウィキであり、ウィキを使った百科だからウィキペディア、ということは当然理解しているはずだからである。具体的には、ウィキペディアはMediaWikiというウィキツールを使っている。ここまで理解していれば、単に「ウィキを編集する」と言われても意味がわからない(意味が限定できない)という状態に陥る。
  • 逆に言えば、ウィキペディアをウィキと略す人は、ウィキシステムの存在を知らないと見なしうる。なぜなら、ウィキが指す対象としてウィキペディアしか知らない(あるいは他のものはウィキとみなしていない)からこそ、ウィキペディアをウィキと略しても、他のウィキを指す危険性がないとして発話しているのである。
  • しかし、ウィキといえば「ブラウザからページ単位で編集できるサイトシステム」と思っている人にとって、MediaWikiというシステムを「ウィキ」と呼ぶことはありえても、それによって表現されたウィキペディアをウィキと呼ぶことはありえない。
  • たとえば、自動車はエンジンで動いている。しかし、他にエンジンが使われている機械が多数あるのに、自動車を「エンジン」と呼べば、何言うてはんのあんさん、エンジンが走っとったらえらいことなりますやんか、あんたどのエンジンのこと言うてはりますのん?という話になる。ウィキペディアをウィキと略すのは、これに近い乱暴な発話である。
  • このように、言葉をどのように略すかは、その人の意識を反映する。何を同一カテゴリとし、何を別の言葉で言い分けるかということは、言語学の意味論とも重なる重要な問題である。

Wikileaks問題

2010年にWikileaksの存在がクローズアップされると、「ウィキ(=ウィキペディア)じゃないのにウィキリークスというのはややこしい」という発言がツイッターなどで散見されるようになった。ここでは、「ウィキ=ウィキペディア」であってそれ以外のウィキシステム/ウィキサイトの存在を知らない(あるいは無視している)人たちが、ウィキペディアと関係ないのにウィキという言葉を使うのはなぜか、という大きな誤解が生まれている。

実際にはWikileaksはWikipediaで使うために開発されたMediaWikiというシステムを当初使用していたことがあり(ここ「閾ペディアことのは」も同じMediaWikiを利用している)、Wikipediaと一切の提携関係はないものの、Wikiであることは疑いようもない事実であった。

また、一部には「Wikiは誰でも自由に編集できるもの」という思い込みもあるようだが、実際にはMediaWikiには編集者を限定する機能が存在している(ここ「閾ペディアことのは」も編集者はサイト開設者のみとなっている)。Wikileaksは誰でも勝手に編集できるのではなく、運営者チームが調査し直して信憑性があると考えたものを公開するシステムであるが、仕組みとしてはやはりウィキである。

ウィキリークスと区別するために、ウィキペディアときちんと表記することが望まれる。