海南省
海南省、略称琼(瓊)は、中国で海洋面積が最も広い省。南シナ海にあり、北は瓊州海峡を隔てて広東省に接している。中華人民共和国政府は、海南省には海南島、西沙諸島、南沙諸島、中沙諸島の各島とその領海が含まれると主張しているが、南沙諸島には中国、台湾、ベトナム、マレーシア、フィリピン、ブルネイ、インドネシアがそれぞれ領有を主張している島があり、紛争の種となっている。海南省省会(省都)は海口。
海南省 | |
略称:瓊 | |
省会 | 海口 |
面積 - 総面積 - 中国全体での% |
中国第29位 210万km2(含海洋面積) 0.354% |
人口 - 総人口(2001年) - 中国全体での% - 人口密度 |
中国第28位 7,960,000人 0.624% 234人/平米 |
国内総生産 - 総額(2002年) - 中国全体の% - 一人当たりGDP |
第28位 623.45億人民元 0.609% 7830人民元 |
目次
自然地理
位置と範囲
- 海を挟んで隣接する省:広東、広西
- 海を挟んで隣接する国:ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア
中華人民共和国は、海南島を国内第二の大きさの島としている(最大のものは台湾島とされるが、これには異論もありえる)。北は瓊州海峡を隔てて広東の雷州半島が見えるところにある。西側は北部湾。最高峰は五指山で、海抜1876メートル。
気候
海南島の北部は亜熱帯、南部は熱帯に属し、バナナ、ココヤシ、コショウなどの熱帯作物の栽培が盛んである。熱帯に属する三亜周辺の海岸は、年中海水浴に適した気候であり、俗に「中国のハワイ」とも言われ、観光業が盛んである。
海南は海洋性・熱帯モンスーン気候で、毎年の温度差は15℃以内である。最も寒いのは1月と2月で、平均気温は16~21℃まで下がる。最も熱いのは7月と8月で、平均気温は25~29℃となる。島の中部の山地を除けば、毎日の平均気温は10℃以上である。
海南島東部は台風が通過する場所で、毎年70%以上の雨水は夏の雨期と台風によるものである。年間降水量は平均1500~200mm、中部と東部では2400mmに達し、南西の沿岸地方では900mmしかない。
河川
海南島の河川の大半は中部に水源がある。北部の南渡江は314km。西部の昌化江は230km。東部の万泉河は162km。海南島には湖・池は少ない。
歴史
海南省は旧称を珠崖、瓊崖、瓊州といい、略称は瓊である。三国時代には呉国が珠崖郡を設置した。唐代の李徳裕、宋代の蘇軾などが流刑され、また、唐代に鑑真が漂着した。
海南省は一時期広東省の管轄であった。中華民国の時代に昇格して海南特別行政区となった。
日中戦争中、日本軍が島を占領し、ビルマ独立の志士アウンサンらの軍事訓練がこの島で行われた。1949年に中華人民共和国が成立した際、海南島はまだ中華民国の国民党政権による支配下にあったが、1950年5月1日,中国人民解放軍が海南島を攻略し、海南は再び広東省に含まれることとなった。その後38年にわたって、海南は国防の前線基地とされ、計画発展地区とはされていなかった。
1988年、中国政府は海南地区の発展に力を注ぐことを決定し、海南省が成立した。また、同時に経済特区に指定された。これ以来、中国各地から移住が相継ぎ、輸出加工地区として発展した。最近は観光業にも力をいれ、中国各地からの観光客の他、日本からの観光客も訪れる。1人当りの所得は中国では比較的高い。
行政区画
海南の行政区画は他の省と違っている。海口市の4つの直轄区を除けば、県レベルの行政単位はすべて海南省の直下となっている。
主要都市
経済
1980年代から、海南省全域が中国の5つの経済特区の一つとなった。これは中国で面積最大の経済特区でもある。
軍事
海南島事件 - 2001年4月1日、海南島周辺上空でアメリカ海軍EP-3E電子偵察機が中国軍の殲撃8II戦闘機と空中接触し、中国軍機は墜落、米軍機は救助信号を発して海南島の飛行場に緊急着陸した。
人口
- 人口:人口調査によると、2001年末の全省総人口は795万5500人。出生率は15.23‰、死亡率は5.76‰、自然増加率9.47‰。2001年の全省戸籍人口は769万5000人。そのうち、男性403万7100人、女性365万7900人。非農業人口202万3100人、農業人口567万1900人。
- 少数民族: 黎族:黎(リー)族(117万)、苗族:苗(ミャオ)族 (6万)、壮族:壮(チワン)族(5万)、回族:回(ホイ)族(8372人)。
黎・苗・回族の大多数は中部・南部の瓊中・保亭・白沙・陵水・楽東・昌江県や三亜市・五指山市に居住している。漢族は主に東北部・北部・沿海地区に集中している。2001年戸籍人口によれば、漢族は総人口の83%、黎族は16%、苗族は0.8%、壮族は0.7%。三亜市鳳凰鎮には6500人の回族ムスリムがいる。
- 宗教:海南には3万5000人のキリスト教徒,1万人の仏教徒、6500人のイスラム教徒、4100人の天主教徒(カトリック)がいる。
文化
言語
海南島の漢族居住者が主に使うのは海南語である。これは闽南語の一種だが、実際には莆仙方言に近い。文昌語がその標準である。多くの海南人は広東語も話せる。この他に広東語の一種である儋州話、邁話、疍家話、客家語、北方方言に属する軍話などの中国語の方言も話されている。
少数民族はそれぞれの民族の言葉を有しており、タイ語系の黎語をはじめとして、オンベ語(臨高話)、モー語(村話)、他に苗語、回輝語の話者も少なくない。
娯楽
飲食文化
レジャー
海南島は工業化が進んでおらず、陸の緑、美しい砂浜、きれいな空気によって多くの旅客を集めている。船と空路で広東省に接している。
海南島は南北に二つの空港がある。海口の海口美蘭国際空港と三亜の三亜鳳凰国際空港である。
2004年12月、広州から海南に至る鉄道が竣工した(広州海峡を渡る)。
三亜市
歴史文化名城
有名人
1949年以後の指導者
- 海南行政公署主任
- 馮白駒()
- 省委書記
- 省長
- 人大常委会主任
友好交流
- 大韓民国済州道
外部リンク
参考
- この記事はwikipedia中国語版「海南省」を参考にして作成されました。