出典: 閾ペディアことのは

」はもともとめったに使われない文字であったが、近年、中華圏のネットで流行している顔文字でもある。「」も使われることがある。

「囧」または「冏」は本来、光明、明亮の意味である。しかし、ここ数年のうちに、ネット上では「囧」が困惑を意味する顔文字として使われるようになった。また「Orz」(失意体前屈)の変形として「囧rz」のように合成され、orzの意味をさらに強調し、描写することとなっている。

目次

発音はjiǒng(チオンかジオンに近い)。日本語の音読みでは「ケイ」。

「囧」の原義

【囧】
部首:囗 7画
発音:ㄐㄩㄥˇ(jiǒng
意味:光明、明亮。
  • 『玉篇』囧部:「囧,大明也。」
  • 『文選』江淹 雑体詩三十首之十八 張廷尉:「囧囧秋月明,憑軒絰麑老。」
  • 李善『注引蒼頡篇』:「囧,大明也。」
  • 康熙字典 【丑集上】【囗字部】 囧 ·康熙筆畫:7· 部外筆畫:4
  • 【唐韻】【集韻】【韻會】俱永切,音憬。又伯囧,人名。周太僕。正本作囧,俗訛作冏。見【書·囧命】。又與炯同。
  • 說文解字【卷七】【囧部】
【囧囧】
明亮な様子。
  • 『文選』江淹 雑体詩 張廷尉:「囧囧秋月明、憑軒詠堯老。」
  • 【韓愈詩】蟲鳴室幽幽,月吐窗囧囧。【註】囧囧猶炯炯也。炯從火囧。
【冏】
部首:冂 7画
発音:ㄐㄩㄥˇ(jiǒng)
明亮。
  • 漢 張紘 材枕賦:「何衆文之冏朗,灼儵爚而発明。」
[冏然]
疾速の様子。
  • 『文選』木華 海賦:「望濤遠決,冏然鳥逝。」

ネット上の「囧」文化

「囧」という字が最初に流行したのは、台湾のBBSコミュニティ上であったといわれている。「囧」は中国大陸でも素早く広がり、この地区の若者やネットユーザーの間で普及した後、香港にも入っていった。現在ではネットサブカルチャーの興隆に従って、主流メディアも「囧」字を報道の中に取り入れ始め、映画と広告の効果で広まりつつある。

囧の顔をした胡杏儿
「囧」の楷書体は失意の表情に似ているため、ネット上で急激に広まった。香港のあるネットワーカーが、役者「胡杏儿」の演技を論じる際、劇中で常に「八」の字の形に眉をひそめているのを「囧」に似ていると発言した。そこから悪ふざけが進み、「囧」字はネット上でさらに流行するようになった。

普通話(※中国大陸での標準中国語)では、「囧」と「窘」は同音であり、「窘」は「困窮する。暮らしが苦しい。/苦しい。困る。きまり悪い。/困らせる」といった意味がある。そのため、読めば容易に困った状況が連想され、普及のスピードも速まったようである。また、その文字の形から「ばつが悪い」「しょうがない」「本当に我慢できない」「打ち負かされた」などの意味も示す。

一部のネットユーザーは、Orz(中華圏ではOは大文字で使う)の頭に当たる「0」の代わりに「囧」を用いて失意体前屈の頭部をさらに描写し、「囧rz」を生み出した。これが「囧rz=3=」となると「もうまったくどうしようもない」の誇張表現となる。さらに「大囧国2.0」というウェブサイトまで作られた。

「囧」字のネット上での流行に関しては議論もある。「漢字は尊重すべきであって、悪ふざけに用いるのは下品であり、中華文化の重厚さを損なう」と考える人もいる。しかし、「囧」のように滅多に見ないような文字への関心を引き起こしたことから、漢字文化の伝播に有益ではないかと考える人もいる。

今天你囧了吗 有关网上最火汉字的文化争议_互联网频道_新华网」(2008年5月4日)には以下のような記載がある(松永英明訳)

先日、記者は「囧」字現象について四川大学中文系教授・雷漢青にインタビューした。雷教授は「非専門的な角度から見れば、これは積極的な文化伝播現象です」という。

雷教授はこう述べる。「囧字が今ネット上でなぜ流行するのでしょうか。実のところ、これは現代人が楷書の見た目の形に新しい意味を与えたものです。この意味はその文字の本来の意味とはまったく無関係で、一部の人のコミュニティの中で定着した漢字認知といえます」。ネットユーザーたちがこの字を「改造」して各種の顔文字を作り、一部の有識者がこういった悪ふざけを嫌うことについて、教授は、この現象を悪ふざけの一種と結論づけるのは少々言い過ぎだとした上で、「漢字に新しい定義ができたということでいえば、囧は決して最初のものではありません。「日」字が転じて、「セッケンのかたまり」や「窓」の意味で使われた例があります。こういった現象について、私は、ネット用語が漢字や方塊字の新しい解読を行なっていると考えています。本来の意味と無関係ではありますが、一定の文化伝播効果を生み出しており、こういう現象を「悪ふざけ漢字」と切り捨てるのは言い過ぎではないでしょうか」と語る。

ネットユーザーは、こういった文字に、その形の特徴によって新しい意味を与えている。これは、中国文化を理解していない人たちや、中国文化を学んでいる人たちにとって、楽しませながら教える効果をもたらしている、と雷教授は言う。「先にこういった漢字の新しい解釈を通して、漢字の形を理解する。その後に漢字の意味を教わる。こういった方法で漢字を伝えるのは、よいことだと思います」。さらに、「囧」字の流行は、めったに見ない文字が復権したということでもある。雷教授はこんなことはありえないと思っていた。「便利だと思われている簡体字の時代にあって、めったに使われない文字が復活するというのは、まったく必要性はないことだからです」。

囧国バリエーション

  • 囧:男性の囧
  • 冏:女性の囧
  • 崮:囧国国王
  • 莔:囧国皇后
  • 商:笠をかぶった囧
  • 冏:囧宅の奥さん(またはひげがある囧の兄さん)
  • 圙:お年寄りの顔
  • 圀:口をゆがめた囧
  • 囧興:囧のカメさん
  • 四:口のない囧国人
  • 囚:囧国人のお尻
  • 回:囧国人の肛門
  • 朙:囧国の月
  • 晍:囧国の太陽
  • 過:囧国の水兵
  • 迥:囧国の船
  • 浻:囧宅の財産
  • 泂:囧宅の頭
  • 絅:植樹する責任のある囧人
  • 詗:囧国のことば
  • 哃:話している囧人
  • 炯:囧国の消防士
  • 銅:鉄を打つ囧人
  • 鍋:囧国専用武器
  • 駉:競馬会の囧社員
  • 騧:囧国の乗馬具
  • 踻:カンフー囧人(足の動きに注目)
  • 埛:地下工作する囧人
  • 恫:囧国の足軽
  • 侗:囧国の足軽組頭
  • 腡:囧国将軍
  • 啚:囧の祭壇
  • 禍:囧神の別名
  • 媧:囧国の娼婦
  • 鮦:魚捕りの囧人
  • 囶:囧国の泥土
  • 囧阿:裸女版の「囧TZ」

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