仮名遣異同表

提供: 閾ペディアことのは
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この仮名遣異同表は、福島直恭『書記言語としての「日本語」の誕生―その存在を問い直す』所載の表「定家仮名遣いにおいて中核的な位置を占める語の候補」を転載したものである。

この表においては、定家仮名遣において中核的な位置を占める語に関して、規範となる仮名遣いが必ずしも一定していなかったことを示している。また、定家仮名遣の集大成ともいえる下官集の表記と、歴史的仮名遣の間の相違点も示す。

これは、歴史的仮名遣が絶対的な存在ではなく、日本古来の伝統的表記すべてを網羅するものでないばかりか、ここで想定される「正しい仮名遣い」そのものが幻想であることを示している。

  仮名文字遣 定家卿
仮名遣少々
人丸秘鈔 行能卿
家伝仮名遣
仮名遣近道 新撰
仮名文字遣
類字仮名遣 倭字古今
通例全書
下官集 歴史的仮名遣
萩 おきのは おき おきのは おき おき おき おき おき おきの葉 おぎ
惜 おしむ おしむ おしむ おしむ をしむ おしむ おしむ おしむ おしむ をしむ
男 おとこ おとこ おとこ おとこ おとこ おとこ おとこ おとこ おとこ をとこ
思 おもふ おもふ おもふ おもふ おもふ おもふ おもふ おもふ おもふ おもふ
驚 おとろく おとろく おとろく おとろく   おとろく おとろく おとろく おとろく おとろく
女 をんな をんな   をんな     をんな をんな をんな をんな
香 かほる     かほり かほる かほり かほる かほる かほる かをる
遂 つゐに [1] つゐに つゐに つゐに つゐに つゐに つゐに [2] つゐに つゐに つひに
参 まいる         まいる まいる まいる   まゐる
聞 きこえて きこえ きこえ きこえる きこえ きこえ きこえ きこえ 聞え きこえ
見 みえて みえ 見え みえる 見え みえて みえ みえ 見え みえ
故 ゆへ ゆへ ゆへ     ゆへ ゆへ ゆへ ゆへ ゆゑ
行方 ゆくゑ ゆくゑ     ゆくゑ ゆくゑ ゆくゑ   ゆくゑ ゆくへ
川 かは     かは かは かは かは かは   かは
  1. ↑ 『仮名文字遣』には「ついに」も規範としてあげられている。
  2. ↑ 『類字仮名遣』には「ついに共」という注記がある。