河蟹
河蟹(hé xiè/ホーシエ)は中国ネット用語で「和諧(hé xié)」の諧音(類似音の語)として使われる用語である。
河蟹はもともとシナモクズガニを意味する語であるが、中国大陸のネット用語として別の意味合いが込められるようになった。
由来
中国共産党は「和諧社会」政策を推進しているが、このために中国大陸のマイナス面のニュースやマイナス報道を強制排除する傾向にある。また、それを不良的・色情暴力的な情報を強制排除するものと解釈する者もいる。このため、大陸のネットユーザーは、マイナス情報の閉鎖・隠蔽、新聞と言論自由の統制行為を「和諧された」として使うようになった(日本において、「友愛」をスローガンとする鳩山由紀夫氏の関係者が亡くなったとき、一部の2ちゃんねらー等が、口封じに暗殺されたというニュアンスを伝えるため「友愛された」という言葉を使ったのと似た経緯といえる)。
中国大陸の一部の掲示板では、「和諧」という語は禁止ワードとされている。この禁止を回避するために、ネットユーザーは「河蟹」または「合諧」という諧音を代わりに使っている(日本のあめぞう掲示板で「死ね」や「創価」が禁止ワードとされたために「氏ね」「草加」が使われるようになったのと同様の経緯といえる)。
「河蟹」という語には同時に、蟹の「横行覇道」という意味も込められている。蟹が横歩きするという習性は、「権勢をたのんで横暴なふるまいをする」(「横行覇道」)の象徴とみなされる場合もあるからである。
「水産」も時に「河蟹」と同じ意味で使われる。蟹は水産物の一種だからである。
台湾では次第に多くの人が「和諧」「河蟹」という言葉を理解して使用するようになっている(たとえば「騜城内的和諧」は馬英九政権の行為を風刺する言葉となっている)。台湾語での同義語は「搓圓仔」である。このほかに「消波塊」も使われる。一部の中国政府反対ネットユーザーは、「喝血(hē xuè/血を飲む)」という語で中国政府の横暴を批判する。ここには「嗜血(血を好む)」の含意がある。
展開形
河蟹はハサミに3つの腕時計をしている。これは中国共産党江沢民政権時代の「三個代表」と「三個戴表(3つの腕時計をつける)」が同音のためである。